経営の状況について
収益的収支比率及び、営業収支比率は営業収益の減少と営業費用の増加で数値は悪化した。風力発電事業であるため、細やかな点検や経費節減努力以上に風況で営業収支は左右されるため、安定した収益をあげることが難しい。令和3年度は運転開始から3年しか経過しておらず修繕費比率は数値があがらない。一部公債費の元金償還の据置期間の終了も迫り、今後は公債費の増加も見込まれている。保守点検をしっかり行い計画通りの黒字経営が今後も続けられるように努力していきたい。
経営のリスクについて
風力発電会計は、売電収入が風況に左右されるため年間の風況に基づく売電収入計画と実績値は乖離がある。故障等による運転停止時間が発生する頻度を極力減らす努力を今後も継続していきたい。設備利用率は、発電型式別でみると全国平均より良好な比率であったが、令和3年度は風況悪化で比率は減少した。企業債残高対料金収入が全国平均と比べて高くなっているのは、建設事業に企業債を借入れており元金償還が始まったばかりであるためである。
全体総括
保守に係る経費は年度によって大きく増減がある。売電収入も、風況で左右される。これらのことから収益を平準化させ一般会計への繰入を一定にさせることは難しい。大きな故障が出ないように日々の点検などに今後も力を入れていく。また、令和6年度からの法適用化に向けて準備を進めていく必要がある。営業開始からまだ年月が浅く資産の整理等は比較的進めやすくはあるが、法適用化に伴う経常支出の増加が気になるところである。令和2年度に策定した「上関町風力発電事業経営戦略」に基づき今後も安定した経営を目指す。