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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(22年度末30.79%)に加え、景気の低迷による税収が落込みを続ける中、類似団体内平均値を0.17下回る0.44となっている。23年3月に策定した経営改革プランや22年12月に改定した中期財政計画に沿った行財政改革の着実な実行に努めることにより、財政の健全化を図る。
公債費に係る比率が引き続き高水準にあるが、高利の地方債の繰上償還等により公債費の圧縮を進めた結果、対前年度比2.7減となったことや人件費に係る比率の1.8減等、行財政改革の効果が表れてきたことにより、また、経常一般財源等歳入が、普通交付税や臨時財政対策債の増によって1,222百万円増加したことにより、経常収支比率は87.0%と対前年度比3.3減少し、類似団体平均を0.9下回る結果となった。今後も引き続き、地方債の繰上償還を実施し、公債費の圧縮を図るとともに比率の更なる改善に努める。
人件費、物件費、維持補修費ともに類似団体内平均値を上回る状況となっている。人件費については、給与水準(ラスパイレス指数)は低いものの人口千人当たり職員数が類似団体内平均値を大きく上回っており、数値を押し上げる要因となっている。今後、人件費については、19年度に策定した「定員適正化計画」(計画期間:20年から29年)に従い定員の適正化を図っていくため、逓減する見込みである。また、物件費については、23年3月に策定した経営改革プランに従い、類似団体平均並みに引き下げることとしている。
地域給制度導入(18年4月)に伴う新給料表(平均-4.8%)への切替について、激変緩和措置を原則行わず実施したことにより、類似団体内平均値を下回る97.4となっているが、職員の構成年齢層の上昇(高齢化)により、数年かけて行われる他団体の激変緩和措置に伴う昇給抑制効果との差が徐々に薄れてきていることから、類似団体との差が縮小傾向にある。今後も定員適正化計画及び行財政改革実施計画に基づき、定員適正化、給与の適正化に取り組む。
市町村合併後に導入した独自方式の自治区制度により支所に多くの職員を配置しているため、類似団体内平均値を上回る状況となっている。19年度に策定した「定員適正化計画」(計画期間:20年から29年)に定める職員の適正配置、民営化・民間委託の推進、組織間連携による効率化、支所機能の見直し等に取組む。これらの取組により、10年間で134名(消防職を除く一般職員)の削減を行い、職員数の純減を図ることとしている。22年度当初では目標に対し、17人前倒しで削減が進んでいる。
公債費負担のピークであった17年度(単年度:25.7%)、18年度(単年度:26.0%)以降は、公債費及び公債費に準ずる債務負担行為の繰上償還の実施(18年度から22年度までの5ヶ年度にて実施)により、単年度数値は逓減し、3ヶ年度平均数値は対前年度比2.7改善し、17.4%となった。今後は、公営企業債の償還の財源に充てたと認められる繰入金が増加傾向にあることや、合併特例債等が活用できる27年度までに集中的に投資を行うことが分子を悪化させる要因となるが、更なる繰上償還を実施し、また、ピーク時に元利償還金の大きな割合を占めた交付税算入の少ない地方債から過疎債、合併特例債等の交付税算入の手厚い地方債の借入にシフトしていることから、算入公債費の増が見込まれ、比率は低減していく見込みである。
地方債残高は増加傾向にあるが、これは臨時財政対策債の残高の増加及び27年度までに集中的に投資を行うことによる影響が表れたためである。公債費に準ずる債務負担行為に基づく支出を繰上償還したことにより債務負担行為額支出予定額がほぼ皆減し、また、過疎債、合併特例債等交付税算入の大きい起債を中心としているため、基準財政需要額算入見込額が増となり、将来負担比率は対前年度比19.2改善し、136.6%となった。今後は、分子は基本的には現行の水準を維持かやや上回ることになるが、増に見合った算入公債費等の充当可能財源の確保により、比率の現行水準維持に努める。
類似団体内平均値とほぼ同値となっている。職員数が類似団体と比較して多いものの、給与水準(ラスパイレス指数)が類似団体と比較して0.2下回っているため、平均値レベルに留まっている。今後も引き続き19年度に策定した「定員適正化計画」に基づく職員数の純減を進めることにより(22年度当初で17人前倒し減)、人件費の逓減を進めていく。また、公営企業会計(法非適用)の人件費に充てた繰出金といった人件費に準ずる費用についても抑制を図る等、人件費関係経費全般について取組を進めていく必要がある。
物件費に係る経常収支比率は、類似団体内平均値と比較すると3.0下回っているが、人口1人当たりの歳出決算額は、類似団体平均の1.4倍程度であり、引き続き高い水準にある。物件費については、27年度までに類似団体平均並に引き下げる方針であり、23年3月に策定した経営改革プランの確実な履行が必要である。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体内平均値と比較すると0.4下回っているが、人口1人当たりの歳出決算額は、類似団体平均の1.3倍程度であり、引き続き高い水準にある。22年度は児童手当から子ども手当への制度移行があり、扶助費の増要因になっている。今後も扶助費の増が見込まれるため、財源確保等、財政負担の軽減に努める必要がある。
その他に係る経常収支比率は、類似団体内平均値とほぼ同値となっているが、人口1人当たりの歳出決算額を類似団体平均と比較すると、繰出金が1.3倍程度と高い水準にある。今後も、上水道事業と簡易水道事業の統合や介護保険受給者数の増といった繰出金の増要因はあるが、23年3月に策定した経営改革プランの確実な履行により、増率の抑制に努める必要がある。
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体内平均値と比較すると3.0下回っているが、人口1人当たりの歳出決算額は、類似団体平均の1.5倍程度であり、引き続き高い水準にある。補助費等についても物件費と同様に27年度までに類似団体平均並に引き下げる方針であり、23年3月に策定した経営改革プランの確実な履行が必要である。
市町村合併前の各団体にて、国の経済対策に呼応し、遅れている社会資本の整備や地域振興に資する事業に積極的に取り組んできたことにより、地方債の元利償還金の負担が大きくなっている。この結果、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を大きく上回る24.1%となっている。このため、地方債等の繰上償還を実施(18年度からの5ヶ年度で5,000百万円を超える額を実施)しており、対前年度比2.7の減と数値の改善が表れてきている。
公債費以外に係る経常収支比率は、類似団体内平均値と比較すると6.4下回っているが、類似団体は改善傾向であるのに対し、当市は悪化傾向で推移している。普通建設事業費の増に伴う地方債残高の増に対応するために地方債の繰上償還を行い、公債費が抑制されている一方で、繰出金等の増が影響しているために、公債費以外の経常収支比率は改善傾向にない状況である。今後も税収の大幅な増加が見込めない状況であり、引き続き23年3月に策定した経営改革プランを確実に履行することにより、公債費以外の比率についても改善に努める。
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