富士宮市：富士宮市立病院

地域において担っている役割

富士宮地域においては唯一の高度医療機関として、急性期医療、救急医療、周産期医療を支える状況にある。また、地域包括ケア病棟を中心に在宅へつなげる仕組みづくりを充実させることで、地域医療支援病院として、病診連携に取り組んでいる。

経営の健全性・効率性について

当院は常勤医師の不足により一部診療科の縮小が続いているため、医業収益（主に入院収益）が減少傾向にある。これに伴い医業収支比率が低下し、材料費比率が類似平均よりも上昇している。また、職員給与費比率は、病棟の再編や団塊の世代の退職に備えて採用枠を多く設定しているため上昇している。以上のことから、累積欠損金比率は上昇傾向にある。なお、類似平均よりも当院の数値が低い要因は、過去に、類似病院の中でも比較的医業収益が良い期間が長かったためである。今後、常勤医師の確保が進み、病棟の再編が落ち着いてくれば医業収支はある程度改善すると見込まれるため、引き続き医師確保対策を重点課題として病院経営を行っていく。

老朽化の状況について

当院の施設や器械備品は、耐用年数を超えたものについては延命措置を行い使用しているのが現状であるため、減価償却率は平均を上回るものとなっている。また、器械備品については、新規または更新した器械が多い年は平均を下回り、耐用年数間近やそれを超えて使用しているものが多くなると平均を上回っており、その増減を繰り返している状況である。なお、１床当たり有形固定資産については、平均を下回っているため、他病院に比べ過剰な投資は無いと分析する。特記事項として、H30年度は電子カルテシステムの更新を行ったので、器械備品減価償却率が例年に比べ下がる結果となった。

全体総括

当院は地域医療支援病院として地域の民間病院と病診連携に取り組んでいる。当院の経営状況については、地域の救急医療や高度医療を担っていることから、他の公立病院と同様に経営は厳しい状況にある。特に当院では、医師不足により診療科を縮小しているため、通常の経営状態よりも収益が低下している。しかし、今後は医師確保対策の成果が見込める状況となってきたため、縮小した診療科の回復と、安定した診療体制の構築を図ることを目標とする。