地域において担っている役割
救命救急センター、地域周産期母子医療センターを併設し、東予地域の三次救急機能や東予東部の周産期医療、小児救急医療を担うとともに、脳神経疾患、心臓疾患等の急性期医療や災害医療、感染症医療等を提供する新居浜・西条圏域の中核病院である。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、収益については、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、入院患者数の減少、外来診療単価の減少があったことから、医業収益が減少し減収となった。費用については、高額診療材料の使用増加により材料費が増加し、さらに建替えに係る委託費等経費が増加した。この結果、収益の減及び費用の増により、収支が悪化し、経常収支比率及び医業収支比率ともに類似病院の平均値を下回る状況となっている。職員給与費対医業収益比率は前年度からほぼ横ばいながら類似病院の平均値を上回っており、材料費対医業収益比率は前年度から増加していることから、更なる経費縮減及び医業収益の確保等により効率的な運営を図る必要がある。
老朽化の状況について
整備基本計画に基づき建替え工事を実施し、令和3年8月に新病院が開院した。今後は、旧病院の解体や外構工事を実施し、令和5年2月のグランドオープンを予定している。病院本体の建替及び医療機器の更新・整備により有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率は類似病院の平均値を下回り、一床当たり有形固定資産額は類似病院の平均値を上回っている。
全体総括
平成30年度、令和元年度と連続で赤字となっていたものの、令和2年度、令和3年度は経常収支比率が100%を上回り、黒字を確保できている。令和3年8月に新病院が開院したことから、今後、減価償却費等の増加が見込まれ、更なる収益の確保が必要である。愛媛県公営企業管理局では、県立4病院を対象とし、令和3年度から令和7年度までの5年間を実施期間とする「第2次愛媛県立病院中期経営戦略」を令和3年3月に策定した。引き続き、当該戦略に基づき経営の効率化など各種取り組みを進めていき、健全経営の確保を図るとともに、県立病院に求められる医療の提供を行っていくよう努める。