経営の健全性・効率性について
収益的収支比率について、近年は経営努力により改善傾向が続いていたが、令和2年度は令和2年8月の使用料改定によりさらに改善した。令和3年度は年間を通して改定後の使用料が収入されるので、さらに改善すると見込まれる。類似団体平均値と比較すると、平成29年度から令和2年度において経費回収率、汚水処理原価ともに良好な結果となった。また元金償還の結果、企業債残高対事業規模率は平均値以下に改善した。事業費の縮減によりこの減少傾向は今後も続くものと見込まれる。水洗化率が平均より低いが、順調に下水道への接続が進んでいる。戸別訪問等で一定の成果が上がっており、さらに下水道接続の促進を図る。平成25年度に4,000㎥/日の処理池を増設、処理能力が10,000㎥/日に向上したことにより、施設利用率が約33ポイント下り平均以下となった。処理池の更新工事を行うためには、工事期間中に代替処理池の増設が不可欠であり、この利用率の低下はやむを得ない。故障等のリスク回避のためにも、ある程度の能力の余裕は必要である。過去最大流入量は8,518㎥(H29.7.18)を記録していることから、現処理能力は決して過大なものとは言えない。
老朽化の状況について
平成元年供用開始であるので、管渠の耐用年数経過には至っていない。処理場については耐用年数を過ぎた設備が多くあり、財政状況を考慮しながらストックマネジメント計画により更新する予定である。
全体総括
近年の下水道使用料の減収により、令和2年度に10%の使用料改定を行った。年間27,000千円程度の収入増を見込み、効率的な経営のもと今後も3~5年毎に使用料改定を検討する。整備計画を見直し個別処理へ転換を図ることにより、事業費を抑え公債費の減少を見込む。令和6年4月に公営企業会計に移行し使用料対象原価や資産等状況を的確に把握し、経営状況を明らかにする。使用料の改定・接続率の向上・経費の見直し等により基準外繰入を減らし、持続可能な経営を目指し令和3年度に経営戦略を見直す。また、公営企業会計移行後においては令和7年度に見直し予定である。今後も引き続き経営の改善に向けて、現状できる限りの策を講じていく。