経営の健全性・効率性について
【現状分析】①経常収支比率について、類似団体平均値と全国平均値を若干上回っている。近年、経常収支比率はほぼ横ばい傾向にある。②累積欠損金比率について、直近10年間では欠損金が発生していない。③流動比率について、全国平均値及び類似団体平均値を下回っているが年々増加傾向にある。④企業債残高対給水収益比率について、給水収益は町内の大口事業者の水需要が高まったことにより、平成30年度より約8,000千円増加した。企業債残高については減少傾向にあるため、平成30年度より数値が改善した。⑤料金回収率について、全国平均値及び類似団体平均値を上回っており、適切な料金回収ができている。⑥給水原価について、全国平均値及び類似団体平均値よりも低い。⑦施設利用率について、全国平均値及び類似団体平均値を下回っている。これは人口の減少と遊休状態の施設があるためだと考えられる。⑧有収率について、全国平均値及び類似団体平均値を下回っているが、漏水調査を実施し修繕等の対応を行ったことにより令和元年度は数値が改善した。【課題分析】人口が減少傾向であるが、令和元年度は大口事業者の水需要の高まりによって給水収益が増加した。しかし、継続的に続く保証はない。そのため、さらなる経費の節減、漏水調査等の有収率向上対策や水道料金の改定も視野に入れた検討を行っていく。
老朽化の状況について
【現状分析】①有形固定資産減価償却率について、全国平均値及び類似団体平均値を上回っており、また、数値も年々増加しているため、法定耐用年数に近い施設等が多く存在していることがわかる。②管路経年化率について、40年を超えた管路が総延長の約22%存在しており、年々増加している。また、全国平均値及び類似団体平均値よりも高い比率であり、管路が老朽化が顕著である。③管路更新率について、ここ数年、管路更新事業を実施していない状態である。【課題分析】法定耐用年数を超えている又は法定耐用年数に近い施設の統廃合・改修や配水管等の長寿命化を図り、適切な資産管理を行っていく必要がある。また老朽化等により配水管内で漏水が起こっているため、令和元年度より漏水調査に力を入れ有収率向上対策としている。
全体総括
経営の健全性・効率性については、流動比率・施設利用率・有収率の項目が、全国平均値及び類似団体平均値を下回っており、その他の項目については、全国平均値及び類似団体平均値を上回っている。施設利用率を増加させるためには、遊休状態の施設への対応方法に関する検討を進めていく必要がある。また、有収率向上対策として令和元年度から漏水箇所を特定するための調査を実施したことにより、数値が大幅に改善された。施設や管路の老朽化については、法定耐用年数に近い管路等の更新ができていない現状である。今後、さらに人口が減少していき、併せて施設等の老朽化が進んでいく。計画的に施設や管路の更新をしていくためにも、さらなる経費の節減、継続的な有収率向上対策、水道料金の改定、施設の統廃合等、様々な事項について検討を行いながら対策を講じ、適切な水道事業運営を行っていく必要がある。