経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は92.41%であり、収益で費用を充足できておらず、また、②令和2年度から累積欠損金が発生し、累積欠損金比率は0.91%となっている。③流動比率は、169.51%であり事業の運転資金の状況に問題はなく、④企業債残高対事業規模比率は349.73%となっており、類似団体平均と比較して低い値となっている。⑤経費回収率は83.3%となっており、使用料で回収すべき経費が使用料だけでは賄えていない状況であり、かつ、⑥汚水処理原価については、302.16円と類似団体平均と比較して高いものとなっている。これらの要因としては、人口減少による使用料収入の減少や、支出の約半分を減価償却費(非現金支出)が占める特徴的な収支構造であること、また、地理的要因(高低差のある地形)などが影響し汚水処理に係る固定費が他団体の平均値より高くなっていると考えられる。⑦施設利用率については58.28%と類似団体平均とより高く、また、令和2年度の最大稼働率が82.04%であったため、現在の施設規模は適切であるといえる。⑧水洗化率は85.96%となり、令和元年度より0.5%減となった。これは、人口減少(処理区域内人口よりも水洗便所設置済人口が多く減少したこと)の影響によるものである。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は40.93%であり、類似団体平均と比較し高い値であり、有形固定資産全体では、施設の老朽化が進んでいることが表れている。②管渠老朽化率③管渠改善率は0%であり、これは、法定耐用年数に達した管渠がなく、更新も行っていないためである。
全体総括
今後、人口減少していくことが必至であり、これに伴い収入の根幹である下水道使用料収入が減少し、また、老朽化する施設・設備への対応も進めなければならない。このように経営に課題も多く厳しい状況となっていく中、経費の節減、適切な設備投資に努め、収支均衡を目指し経営の健全化に向け、取り組んでいくことが必要である。