経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は単年度の黒字を示す100%を超えているが、給水収益は減少傾向にある。今後も更新投資等に充てる財源を確保しつつ健全経営に努める。②累積欠損金は発生していないが、給水収益が減少傾向にあるため、欠損金が発生しないよう努める。③流動比率は基準になる100%を超える906.92%となっている。なお、平成26年度から比率が悪化したのは制度改正により、借入資本金から流動負債(建設改良費等に充てられた企業債)に移行処理したためである。④企業債残高対給水収益比率について、類似団体と比較し低くなっている。今後は、給水収益の減少及び施設更新の増加が予想されるため、比率は上がってくると思われる。⑤料金回収率は基準の100%を超えているが、更新投資等に充てる財源を確保しつつ、健全経営に努める。⑥給水原価は有収水量1m3あたりの費用を表す指標で、近年140円代で推移している。類似団体と比較しても約40円程度安い状況となっている。⑦施設利用率は、近年は有収率の向上などにより減少している。設備更新の際には、ダウンサイジング化を検討する必要がある。⑧有収率は漏水調査等の実施により、改善が見られた。今後も引き続き漏水調査を実施し、有収率の維持、向上を図っていきたい。
老朽化の状況について
①老朽化の状況は、数値が100%に近いほど法定耐用年数に近いことを表している。平成29年度の数値が39.94%となっており、類似団体に比べれば低いものの順次施設の更新を行っていく必要がある。②管路経年化率は類似団体と比較しても低くなっているが、法定耐用年数に近い管路もあることから順次更新を行っていく必要がある。③管路更新率も近年類似団体と比較して低くなっているが、法定耐用年数に近い管路もあることから順次更新を行っていく必要がある。
全体総括
今後の事業運営においては、これまでの水需要動向等を勘案すると、給水収益が減少傾向で推移するものと見込まれるなか、施設の更新及び企業債の償還等があり、今後の経営状況は、依然として厳しいものと考えられる。また、平成31年度末に簡易水道事業との経営統合を予定しており、各数値の悪化が見込まれる。一方で、安全で清浄な水の安定供給をするためには、計画的な施設の更新を進めていく必要があることから、厳しい経営収支の見通しを踏まえつつ、事業全般にわたり経営の効率化による経費の節減等を徹底し、財政基盤の安定を図るなど、一層の経営努力を重ねるとともにサービスの向上に努めていくべきと考える。