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人口減少が続くなか、個人所得や法人税の増加が見込めない上に、離島という地理的条件から大きな企業も無いため、税収構造は非常に脆弱である。そのため財政力指数は類似団体平均を大きく下回り0.19となっている。観光・農林水産業振興のほか、新たな産業創出も視野に入れ税収基盤の強化を図るとともに、行財政改革の確実な実施により財政の健全化を図る。
歳入における経常一般財源は年々減少する傾向にあるが、町村合併以降行っている行財政改革実施計画に基づく職員数の削減効果による人件費の抑制、また、地方債の新規発行抑制の成果により87.1%となった。一方で、町内各地域で進めている下水道整備に伴う繰出金が増加の傾向にあるため、供用開始後の速やかな加入接続を促す必要がある。
行財政改革による職員数の減少をはじめとした、経費の節減に努めているところであるが、離島という地域特性から他町村との社会福祉施設・環境衛生施設等の広域連携が難しく、施設運営のコストが高くなっている。また、集落が点在しているため交通機関の維持やスクールバスの運行、ごみ収集などのコストも高くなっている。
平成18年の地域給与制度見直し以降、現給保障をしていたが平成21年度までは給与カットを実施していたため類似団体と比較し低い水準にあった。しかし、人員削減が計画通りに進んだこともあり、平成22年度より段階的に給与カットを緩和したため、高い水準で推移している。退職等による現給保障対象者の減少に伴い、改善傾向にあったが、平成28年に給与の総合的見直しを国より遅く4月1日に実施したため平成28年1月1日に昇給し、その額を現給保障しているため102.9と高くなった。
行財政改革実施計画に基づく職員数の削減は計画通り進んでいるものの、類似団体と比較すると高い数値となっている。離島という地理的条件から公共施設管理等の民間参入も期待できないため、更なる職員数の削減が難しい状況である。
近年行ってきた地方債の新規発行抑制や繰上償還の効果により、町村合併後最も高かった平成18年と比較し、10%改善している。当面は経済対策と財政健全化のバランスを考えながら計画的に地方債を発行し、持続可能な財政運営を行う。
町村合併前の旧町村において、国の経済対策を背景に、地方債に依存した社会基盤整備を行ってきた。特に平成5年から平成8年までは、毎年約50億円の地方債を発行したことにより、地方債残高が膨らんだため、類似団体と比較して高い比率となっている。平成16年の町村合併以降、行財政改革の一環として取り組んでいる繰上償還や地方債の発行抑制の効果で将来負担率は年々減少傾向にある。
平成16年10月の合併以降、行財政改革のもと事務のスリム化や統合、退職勧奨を行い平成16年度末職員数345人であったが、平成27年度末268人と削減を行ってきた。しかし、離島という地理的条件から公共施設管理等の民間参入も期待できないため、更なる職員数の削減が難しい状況であり、住民一人あたりのコストは、類似団体平均88,618円を大きく上回る139,170円となっている。
類似団体と比較した、物件費に係る支出比率は低くなっているが、住民一人当たりのコストでは、類似団体79,596円に対し110,976円と上回っている。合併以降に徹底した経費削減に努めているものの、清掃費等において離島であるために係る経費や、民間委託が難しいことが要因となっている。
社会福祉費(高齢者・障がい者・生活保護等)における扶助費が増加傾向にある。住民一人当たりのコストも類似団体と比較すると、65,101円に対し118,059円と高いが、島根県平均の104,859円と近似値であり、高齢化率が高い等の地域要因であり削減できる経費ではないことから、他の経費において削減を図る必要がある。
補助費のうち約55%を広域連合への負担金が占めている。また、そのうち、約73%が消防運営費となっている。離島4町村で構成されている消防署であるため、経費は高いものの今後も横ばいの支出が見込まれている。
平成の初めから、平成10年頃までに進めた大規模プロジェクトで多額の地方債を発行してきた。この償還のピークを迎えており、類似団体内で最も高い数値となっている。新規発行を抑制したことにより、着実に改善しつつあるが必要な公共事業の実施の財源として依存することとなるため、将来のために交付税措置率の高い辺地債・過疎債を中心に発行を行う。
公債費以外の項目では、類似団体平均の70.5より大幅に低い56.7となっている。本町において事業を実施するにあたり地方債に依存することが多かったためと考えられるが、合併以降、節減可能な限りの行財政改革を行った成果でもある。離島という地域特性により節減が困難であるものの、地方交付税の縮減が見込まれるため、公債費も含め一層の削減が必要と考えられる。
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