経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、類似団体平均を下回っているが上昇傾向で100%を超えた。累積欠損比率は、0と堅調に推移しているが、給水収益が減少傾向であるため楽観できない。流動比率は、類似団体平均を下回り158.25%であるが企業債の借入が平成30年度にずれ込んだことが起因している。企業債残高対給水収益比率は、配水池の耐震化、送配水管の布設替等を行ったことにより年々上昇しており高い状態が続いているが、平成30年がピークとなる。小規模施設が点在し管路延長も長く事業費が嵩むため低下させることは困難と考える。料金回収率は、上昇傾向であるが90%未満と低い状況にある。小規模施設が点在しており、給水原価の減少が見込めないためこれ以上の上昇は難しいと考える。施設利用率は、小規模施設が点在しており、消防施設用配管が必要なため規模縮小も困難である。有収率は、上昇傾向であり類似団体平均に近づいているが、今後も漏水の早期発見に努めたい。
老朽化の状況について
有形固定財産減価償却率は、類似団体平均を上回り、また、上昇傾向であり、年々老朽が進んでいる。管路経年化率は、類似団体平均より低いが、算定根拠となる基幹管路の延長が短いためであり、算定外の配水管等の老朽化が相当進んでいる。また、今後、同時期に法定耐用年数を超える管路が多数ある。管路更新化率は、全施設において老朽化がかなり進んでいるが、浄水場等の整備を優先した為、管路の更新が出来ていない。計画的な老朽管更新が必要であるが、財政上、実行困難である。漏水等の早期発見により施設の更新を延ばしたい。
全体総括
経営の健全性・効率性において経常収支比率も上昇傾向で100%を超え概ね良好ではあるが、今後、大規模建設改良を行ったことによる減価償却費の大幅な増加、水需要の減少、人口減により収支状況は悪化するものと考える。さらに、小規模施設が点在しており、施設統合も地形的に困難であり、管路延長も長く維持管理費用の削減も限界がある。今後、基幹管路だけでなく配水管も相当老朽化しており更新を行うためにも、経営改善が必要ではあるが、前述のとおり難しい状況である。平成30年度に中長期的な経営の基本計画「水道事業経営戦略」を策定し、経営の健全化を図りたい。維持管理は充分にできており、また、安心安全な水を供給するための施設整備も行っており、安定した水の供給が出来ていると考えている。今後も引き続き維持管理の充実を