経営の健全性・効率性について
経常収支比率は145.29%となり、100%超え(単年度収支が黒字)となっている。今後、分母を構成する経常費用のうち減価償却費が減少する傾向にあることから、比率は増加する見込みである。累積欠損金比率は0%となり、類似団体平均、全国平均を下回っている。比率の分子である累積欠損金に影響する純損益は、減価償却費が減少する傾向にあることから、比率は現状を維持することが見込まれる。流動比率は10.90%となり、100%を下回っている(令和3年度末から1年以内の支払いに対応する資金が同年度末で不足)が、比率の分母となる流動負債のうち企業債償還金(翌年度償還分)に係る財源は、下水道使用料の他に1年以内に収入する一般会計繰入金等を予定していることから、大きな影響はないと考えている。企業債残高対事業規模比率は、一般会計等が負担することが見込まれる企業債残高の割合が減少したが、営業収益が減少した影響から882.00%となり、前年度からは4.56ポイント増加している。経費回収率は54.78%となり、100%未満(費用が使用料収入以外(繰入金等)で賄われている)となっていて、類似団体平均、全国平均を上回っている。また、汚水処理原価は409.45円となり、類似団体平均、全国平均と近似している。今後は、令和3年度末で98.74%となっている水洗化率を維持することで、経営の健全性等が確保できるよう努めていきたいと考えている。
老朽化の状況について
漁業集落排水事業(1処理区)は供用開始(平成12年4月)から21年が経過したところであるが、有形固定資産減価償却率は37.17%で100%を大きく下回っている(保有資産の法定耐用年数に到達していない)ことから、現段階では、機械設備等の定期的な点検整備を行うことで、大規模な更新事業等を行う必要はないと考えている。
全体総括
供用開始(平成12年4月)から21年が経過したところで、水洗化率は98.74%となっている。本町では、平成20年度から計3回(平成20年10月、平成23年7月、平成26年7月)の使用料改定を行ってきたところであるが、今後は、処理区内人口の自然減少等の影響から、有収水量の増加、使用料収入の確保は、難しいと考えるため、本事業の運営に必要となる財源の確保が課題となっている。当面は、財政課との協議による一般会計繰入金の確保等、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」に基づく運営を進めることで、本事業の現金による収支が均衡するよう、運営に必要な財源を確保していきたいと考えている。