経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、過去5年間黒字を維持しているものの、⑤料金回収率は100%を下回っており、独立採算性が基本ではあるが一般会計からの繰出金の支援を受け運営している状況です。神河町は山間部に位置しており、集落も点在していることから、水道管の延長は長く、浄水場を12箇所、配水池を21箇所と数多く配備し、水道施設には多額の資金が投資されています。この投資の財源の償還や施設の維持管理費が割高となり⑥給水原価は高い数値となっています。水道料金は県下トップクラスであり、料金の値上げは人口減少対策の妨げになることなどから現段階で料金の値上げは考えていませんが、経営状況によっては、料金の見直しを検討する必要もあります。水道管の老朽化により漏水も多く⑧有収率は70%以下という状況であり、漏水調査や管路の更新を含め早急に対応する必要があります。
老朽化の状況について
平成29年4月1日に簡易水道等事業を上水道事業へ統合しました。この統合に伴い、各浄水施設の整備を平成27年度から平成31年度にかけて実施し、施設の老朽化改善を行います。配水管については①管路経年化率は高く、③管路更新率は低い状況にあることから、平成30年度より平成39年度の期間で国庫補助金や有利な起債を利用し、耐用年数を大きく超えた配水管より順次更新していきます。有収率に大きく影響している給水管の老朽化対策についても、町単独事業で経営状況を見ながら、計画的な更新を行う予定です。また、固定資産全体の長寿命化を図ることにより更新投資の抑制に努めます。
全体総括
人口減少や節水機器の設置により、将来の水需要が減少し収益の増加が見込めない中で、老朽化した施設の更新や耐震化等の事業を進めながら、これまでと同様に安心・安全な水道水の供給を行う必要があります。このような状況に対応するため、施設の適切な点検や補修により長寿命化を図り、中長期的な更新で費用の抑制に努めるとともに、平成29年度からは簡易水道等事業を上水道事業に統合して運営し、経費の節減に努め、より一層の経営健全化を図ります。また平成28年度に策定した「経営戦略」に基づき、今後の経営健全化につなげていきます。