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2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
当市経年比較において近年、数値はほぼ横ばいに推移しているものの、類似団体平均より下回っている。単年度指標においては過去3ヵ年では平成28:0.619→平成29:0.618、平成30:0.604と、平成28年度の単年度数値から大きく下がっている。平成29年度から令和元年度までを集中投資期間とし、合併特例事業債を財源とし投資的経費が伸びるとともに、同時にその市債の償還を極短期間に償還を実施する短期償還を借入翌年から実施している。平成30年度は短期償還実施の初年度となることから一時的に財政力指数は悪化するとの想定であるが、短期償還終了後は過去の数値付近に回帰すると思われる。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
平成30年度は、分子においては主に人件費168,257千円増、公債費941,307千円増補助費等534,015千円増、扶助費470,535千円減、物件費104,161千円増等。分母では地方税357,837千円、地方消費税交付金194,654千円、普通交付税493,352千円の増等による。指標は大きく下落傾向の数値を示している。本年度より合併特例事業債の短期償還を実施している関係で公債費が大きく伸びている状況にある。この傾向は短期償還実施予定の令和元年度、2年度まではさらに進むものの、終了後は改善するものと想定している。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
30年度の人件費は、退職者の増に伴う退職手当の増、支給月数の増に伴う期末勤勉手当の増等により、全体として増額となった。物件費では老朽化した施設の解体が重なり事業費が増加し、また、ふるさと応援寄付金に関する返礼品の増等もあり、大きく増となっている。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
類似団体平均を下回っており、水準として高いものではない。原則的に人事院勧告に準拠させていることから、大きな特殊要因がない限り、このままで推移すると見込まれ、今後も適正な水準の確保に努めていく。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
他の類似団体と比較して面積が広く、人口密度も低いため、効率的でない業務を抱えざるを得ない現状があるが、平成28年5月に策定した「松阪市公共施設等総合管理計画」に基づき、効果的・効率的な公共施設の最適化に取り組んでいくとともに、引き続き適正な定員管理の推進を図っていく。具体的には、平成27年度以降の定員管理の適正なあり方を示した「松阪市定員適正化方針」(平成27年3月策定)に基づき、現在取組を進めているところである。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成29年度と平成30年度の指数の違いは、平成27年度と平成30年度の単年度実質公債費比率の差に由来する。主に、元利償還金の増(+8.7億円)、交付税算入公債費の額の増(+10.5億円)といった分子の減となる要因で単年度指標が上昇している。ただし、平成29年度単年度数値は比較的低かったこともあり、平均値としては横ばいとなっている。これまで元利償還金は平成22年より臨時財政対策債の限度額以下で借入し、抑制に努めていることもあり、元利償還金等は年々減少していたが、平成29年度より集中投資期間としていることと同時に短期償還を実施するため数値の上昇が確実である。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
平成30年度は26、27、28、29年度に引き続き算定されなかった。地方債残高が大幅な増(+18億円)となったが、充当可能財源(基金当)のこれまでの蓄積により、分子がマイナスとなった模様である。今後は合併特例事業債を活用した大型事業に着手していることから市債発行が大幅に増加することが確実で、今後数年間は+数値に移行すると思われる。同時に起債残高抑制のために財政調整基金等を利用し、短期償還などの方策に着手している。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
定年退職者数が30年度においては前年比増となったものの、25年度をピークに減少傾向にあり、人件費に占める退職手当の割合が低下してきている。類似団体平均と比べてもやや低い水準にあり、今後も諸手当の見直し、時間外勤務の抑制を図りつつ、同時に効率的な運営に向けて取り組んでいく。
物件費
物件費の分析欄
平成28年度は、新規建設の大型施設があり、その管理経費や備品購入費等が新規に計上されたことにより、物件費にかかる経常収支比率は増加したが、平成29年度同様、平成30年度もそれらが少なかったこともあり減となったものである。いわゆる合併による普通交付税の算定の特例の終了も見据え、施設の見直しを中心に、引き続き物件費の抑制に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
平成30年度の経常的な扶助費は、平成29年度と比較すると大きく下降している(1.4ポイント減)。これは従来、扶助費の拡大の要因であった生活保護関連経費は引き続き減り、合わせて臨時福祉給付金支給事業が皆減となったことによるものと思われる。扶助費が増加傾向にあるか今後も注視していく必要がある。
その他
その他の分析欄
超高齢社会への移行を反映し、経常経費充当一般財源額において、なかんずく、後期高齢者医療事業及び介護保険事業への繰出金の増額が顕著であり、平成30年度は平成29年度に比べ、合わせて1億円程度増加している。後期高齢者医療事業及び特に介護保険事業への繰出金の増額は今後も避けられないと考えられることから、他の経常経費の抑制に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
松阪市は、し尿処理・常備消防業務等を一部事務組合で行っているため、類似団体平均値に比べ、経常収支比率が高い。平成30年度は公債費に関する繰出金が増加となったことにより、増となっている。引き続き、法適用企業に対しては繰出基準を基本として、経営の健全化を求めるとともに、一部事務組合等の適正化、「補助金等に関する基本方針」に基づく補助金等の適正執行を徹底する。
公債費
公債費の分析欄
近年、臨時財政対策債の発行抑制に努め、公共事業の選択と集中に努めてきた結果、公債費にかかる経常収支比率は減少傾向にあったが、集中投資期間に入ったため起債発行額の増加は不可避である。償還方法については平成30年度から短期償還を実施することにより公債費が数年間は増加する見込みである。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成30年度の公債費以外の開き(類似団体平均比:+3.0ポイント)の要因は、主に、例年、扶助費が原因であったが本年度は補助費が主な要因である。それもあり、昨年度は開きが拡大したが、本年度は開く幅が縮小している。補助費等については消防、し尿処理に係る分担金以外の補助金が類似団体に比較すると多く、今後、いわゆる合併による普通交付税の算定の特例の終了も見据えるとともに、施設の更新を図るため大規模投資を行なうが、光熱水費の増加が見込まれることから、引き続き物件費等の他の経常経費の抑制に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
目的別歳出の分析欄
本市の特徴として挙げられるのは民生費の扶助費の高止まり、土木費の類似団体平均、県平均と比較して大きく乖離している状況があげられるが、後者は公債費圧縮のため公共事業、市債借入を抑制してきたことによるものと分析している。土木費の普通建設事業費が類似団体平均、県平均より大きく下回っているが、平成29年度から令和元年度を集中投資期間として位置付け、大規模事業を手掛けていることからこの乖離は縮小されてきている。施設の老朽化が著しく、長寿命化、施設更新の事業費が大幅に増加している教育関係では、各平均値との位置関係は逆転しており、次年度においても事業費増加が予定されていることから、集中投資期間終了後の事業費減の反動が想定される。今後、令和元年度までの集中投資期間には多額の起債発行することから市債残高の増加が見込まれ、関連指標の悪化が必然となる。ただし、本市においては大規模投資と同時に短期償還による市債残高抑制を図り、一時的に関連指標の悪化が見込まれるものの、悪化の期間を縮減するよう対策を講じている。単年度事由によるもの以外、大きな変動については類似団体平均、県平均などを注視しつつ、財政運営を進めていく必要がある。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
性質別歳出の分析欄
本市の特徴は扶助費、補助費等が県平均、及び、類似団体平均と比較し高い点と、普通建設事業費が類似団体平均、県平均より下回っている点が挙げられる。本年度は普通建設事業費については平成29年度から令和元年度を集中投資期間として位置付け、大規模事業について多くを手掛けており、大きく伸びを示し、類似団体平均を超えている状況である。このうち更新整備で類似団体平均を超える大きな伸びを示しているが鎌田中学校校舎改築事業、粥見小学校校舎改築事業等で老朽化した校舎の建て替えを行っているため大きく上回っている。老朽施設の更新が急務で特に教育関係は施設の老朽化が著しく、長寿命化、施設更新の事業費増加しており、今後の計画上でも事業費増加が予定されているものである。次年度も同様の事業規模となる見込みである。補助費等について本市は、し尿処理・常備消防を一部事務組合で行っているため、類似団体平均値より高い数値を示している。扶助費は民生費に関する扶助費がすべての分類において大きく乖離しており、高い数値となっている。生活保護に関する決算数値は横ばいから下落傾向へとなってきているものの、障がい者関連の給付事業が大きく伸びている状況であり、現在の動向に大きな変化はないと思われる。資格審査や給付基準等の適正化などに努める。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄集中投資期間による大規模事業にかかる市債借入の大幅増に伴う指標悪化の期間を一時的なものとするべく、平成30年度から令和2年度までは起債残高抑制のために基金繰入等を利用し、短期償還を執ることとしており、財政調整基金はそのため約2億円減少している。今後令和2年度までは財政調整基金からの繰入が連続する事態は確実であり、併せて、実質単年度収支がマイナス値となると思われる。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄25年度は競輪事業会計において赤字となったが、25年度下半期から、包括業務委託を取り入れた事業運営を行っており、26から29年度に引き続き、30年度も黒字となり5年連続で一般会計へ繰出すことができた(平成27:10百万円、平成28:4百万円、平成29:9百万円、平成30:15百万円、令和01:30百万円)。松阪市民病院事業会計においては、呼吸器部門に特化するなど業務の効率化を徹底することで10年連続の黒字化を達成している。26年度から公営企業会計会計制度の大規模な変更に伴い欠損金が大きく圧縮されたものの、依然として41.0億円程度の未処理欠損金が残っている状況である。国民健康保険事業特別会計の平成29年度繰越金は約15億円であったが平成30年度は約3億円となり大幅に減額したが、この主な要因は国保支払準備基金積立金として8.9億円計上したことによる。県広域化による財政一本化の影響が見込まれるが、その影響による具体的な数値が把握できないことから今後注視していく必要がある。
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実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄平成22年度より臨時財政対策債の発行限度額を下回るよう借入額を抑制していたこともあり、元利償還金等は年々減少していることから、実質公債費比率の分子については、年々減少していたが、令和元年度まで集中投資期間のため、借入が大幅に増額することが確実である。これにより公債費関連の指標悪化が見込まれるが、悪化を一時的なものとするべく、平成30年度より起債残高抑制のために財政調整基金繰入を利用し、短期償還を実施していくこととした。この結果、元利償還金は大幅に増加したが、短期償還を実施したものが合併特例事業債であるため算入公債費も増加している。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債の起債は無し
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将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄将来負担比率については、30年度では地方債残高が大幅に増加(+18.6億円)し、公営企業債等繰入見込額の増(+35.6億円)もあったものの充当可能財源(基金等)の蓄積もあり、引き続き分子がマイナスとなり非表示となった。将来負担比率の分子については、本年度はマイナスとなったものの、次年度も集中投資期間のため大規模に起債発行を行うこととなる。これにより指標が悪化するのは避けえないことから、起債残高抑制のために財政調整基金繰入を利用し、短期償還を実施していくこととしている。短期償還には財政調整基金を一部原資とすることから充当可能基金の残が見込まれ、これにより一時的に将来負担比率分子が表示可能域である0以上の数値となる可能性が大きいものと思われる。
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基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)平成27年度に基金全体について今後の見込、整理の可否等の観点から見直しを実施し、整理を行った。整理の主な内容は基金を整理し、今後も存続していくもの、時限的に一定期間後までは継続していくもの(例:スポーツ振興基金については国体まで存続し、それまでに残額を全て事業に充当させる等)、定額運用基金の金額の変更等の整理を行った。整理後廃止等による基金残高については新規に公共施設マネジメント基金を造成し、今後需要の見込まれる施設の除却、複合化等、公共施設マネジメントに寄与する事業に充当することとした。(約25億円)今回の減は財政調整基金及び公共施設マネジメント基金の減額が主なものであり、積み立てについては利息分と地方財政法に規定されている積立、ふるさと応援寄付金の積立である。平成30年度よりふるさと応援寄附金について指定寄附基金とは別にふるさと応援寄附金を造成し、積立てを行っている。次年度には事業充当するものであるが、それ以上に寄附が寄せられることから増加していく状況にあるが、昨今のふるさと応援寄付金を取り巻く状況を鑑みると楽観視できないものと考えている。(今後の方針)今後は平成27年度の整理に従い、順次その他目的基金は事業充当され、廃止されていくものと考えている。また、公共施設マネジメント基金について、その効果が全庁的に広まったこともあり、大きく繰入を行うこととなった。今後もその需要が増すことが予想され、事実繰入は増加増加傾向にあるため、クリーンセンター売電収入の一部を毎年積み立てや充当事業に関する要件を整理し一気に枯渇しないよう手当を施す必要がある。財政調整基金についてはこれを用いて起債の短期償還を実施する等、柔軟に運用していくこととしているが、一定程度以下に残高がならないよう注意を払っていく必要があると考えている。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)平成29年度から令和元年度までを集中投資期間と位置づけ、従来から計画的に進めてきた大規模事業や新たな課題懸案事項(小中学校エアコン整備)などについて大規模な投資をしていくことから財政調整基金を積み増していた。(事業費や完成後の公債費増加に備えるため)平成29年度に借り入れた合併特例事業債について短期償還を実施したことから繰入を行った。短期償還による繰入、以外では基本的に基金利子及び、地方財政法で規定されている繰越金からの積立のみで積み立ててきたものである。(今後の方針)集中投資期間中は市債残高増加が著しいことから指標の悪化が懸念され、また、将来世代への負担軽減措置の面からも公債費を増額し、極短期的に償還を行うこととしている。短期償還への財源として本基金からの繰入金を充てることから償還の大半が終了する令和2年度までは大きく繰り入れる予定である。
減債基金
減債基金
(増減理由)本市の減債基金は3種に分かれ、移動通信用鉄塔整備事業費に係るものと、消防本部において整備された消防救急デジタル無線の活動波整備費用に係るものと、特定の目的ではないものである。前2者は県や公益財団法人からの交付金等を財源としており、該当事業の償還額に合わせて繰入れているものである。(今後の方針)目的が定まっているものについてはその償還額等に応じて繰入を実施していくものである。また特定目的が定まっていないものについては今後、繰上げ償還を実施する際の原資として充当していくものである。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)公共施設マネジメント基金:公共施設マネジメント(施設の集約、複合化、転用、除却)に係る事業に充当ふるさと応援基金:ふるさと応援寄附者の意向に沿って事業充当(平成29年度までは指定寄附基金にふるさと応援寄附金による積立を含んでいたが平成30年度より本基金を造成し整理)ふるさと振興基金:広域行政組合解散に伴う清算金を基に造成、地域づくり事業基金と基金の性格が類似しているため統合した。中川駅周辺区画街路整備基金:嬉野中川駅周辺土地区画整理組合からの寄附金を基に造成、現在、貸付地の現状復旧、維持補修等の経費に充当予定文化振興基金:市展の開催、その他文化芸術の普及活動事業に充当(増減理由)公共施設マネジメント基金:約5600万円積立(クリーンセンター売電収入等)、約3億6,800万円繰入(新福祉会館施設整備事業等)ふるさと応援基金:約4億6,000万円積立(ふるさと応援寄附金)ふるさと振興基金:約5,700万円繰入(住民協議会活動交付金)中川駅周辺区画街路整備基金:約980万円積立(土地貸付収入等)文化振興基金:約470万円繰入(市美術展覧会開催事業費等)(今後の方針)公共施設マネジメント基金:今後需要は増加する見込みであることから定期的に積立を実施(クリーンセンター売電収入)し、できる限り延命化を図っていく。ふるさと寄附基金:ふるさと応援寄附、返礼品分を控除した部分について寄附者の意向に沿った事業に充当。ふるさと振興基金:住民協議会活動交付金に充当していく。中川駅周辺区画街路整備基金:貸付地の利用状況によって整備費用に充当する。文化振興基金:文化芸術普事業や記念年度に開催する特別事業等に充当する。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
県平均、全国平均、類団平均と比較すると、全てに対して本市の有形固定資産減価償却率は高い数値を示しており、平成28年度からの推移でも上昇傾向にある。これは老朽施設が多く、更新が滞っている状況を示しており、公共施設等総合管理計画に基づき公共施設マネジメントを早急に進めなければならない状況である。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
類団平均、全国平均、県平均と比較して低くなっている。本市においては平成29年度から令和元年度までの3年間を集中投資期間としており、地方債を財源とした各種施設の大規模更新を実施している為、地方債残高としては増加しているが、基金等の充当可能財源がそれらを上回っていることが要因と考えられる。令和元年度が集中投資期間の最終年度となることから地方債残高を適正な範囲にとどめるべく、借入と償還のバランスに注視し、対応策を検討していく必要がある。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
近年、本市の将来負担比率は分子が負数となりバー表示である。これは臨時財政対策債を発行可能額満額発行せず、必要最小限に発行額をとどめていたことや、地方債を財源とした公共施設への大規模な投資を控えていたことが要因と考えられる。公共施設への投資を控えていた影響は、有形固定資産減価償却率の上昇傾向にも表れている。しかし、平成29年度から令和元年度の集中投資期間の実施に伴い、鎌田中学校校舎改築、北部学校給食センター建設等の大規模事業による借入により地方債残高は増加していることから、地方債の短期償還等を行い、指標の悪化を短期間にとどめるよう努めている。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率、将来負担比率の指標が良好な数値を示しているのは、臨時財政対策債の発行抑制や大規模な施設更新を控えていたこと等により地方債残高が抑制され、元利償還金が減少していたことが主な要因である。延長前の合併特例債の発行期限である令和2年度を終期とした複数の大型事業が平成29年度から本格稼働しており、合併特例債をはじめとした起債発行額が大きく伸びてきている。指標が大きく変動する見込みであるが、財政調整基金を原資とし、地方債の短期償還等を行うことで指標の適正化に取り組んでいくものである。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
施設情報の分析欄
認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設といった例外を除けばほとんどの施設について目に見えるような形で投資を行っていないため、有形固定資産減価償却率が微増となっている。同様に、一人当たりの有形固定資産額、延長、面積についても、ほとんどの施設について新増設されていないことから人口減少の影響もあり、微増となっている。認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設の有形固定資産減価償却率の微減は、春日保育園移転改築事業、三雲中学校校舎増築事業、鎌田中学校校舎改築事業等の実施によるものと考えられる。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
施設情報の分析欄
近年、施設の建て替えや大規模改修を実施したため一般廃棄物処理施設、保健センター、図書館の減価償却率が下位に位置している。庁舎については空調設備の更新を実施したものの、改修費用を必要最小限度にとどめたため、減価償却率は高位に留まっている状況にある。また、体育館・プールの減価償却率が微減しているのは松阪公園プール塗装改修工事を実施したことによる影響であると思われる。
財務書類に関する情報①(2018年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度から2,624百万円の増加(前年度末より+1.3%、H30年度末資産合計204,424百万円)となった。有形固定資産においては新福祉会館施設整備事業費等の実施により資産の取得(7,766百万円)があり、減価償却等による資産の減少(5,275百万円)を加味しても2,708百万円増加した。また、基金(流動資産)について、財政調整基金の取り崩し額が積立て額を上回った為、前年度に比べ212百万円減少した。水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体では、有形固定資産で前年度から2,929百万円増加(前年度より+0.9%、H30年度末資産合計336,697百万円)した。資産総額は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて132,273百万円多くなった。松阪市土地開発公社、後期高齢者医療広域連合等を加えた連結では、有形固定資産が前年度から3,359百万円増加(前年度より+1.1%、H30年度末資産合計343,348百万円)した。資産総額は、一般会計等に比べて138,924百万円多くなっている。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は57,171百万円となった。そのうち、人件費等の業務費用は26,582百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は30,589百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多い。最も金額が大きいのは社会保障給付(14,952百万円)、次いで他会計への繰出金(10,348百万円)であり、純行政コストの46%を占めている。今後も高齢化の進展などにより、この傾向が続くことが見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が29,113百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が28,302百万円多くなり、純行政コストは29,846百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が30,020百万円多くなっている一方、人件費が7,482百万円多くなっているなど、経常費用が78,651百万円多くなり、純行政コストは48,837百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(56,097百万円)が純行政コスト(55,064百万円)を上回っており、本年度差額は1,033百万円となり、純資産残高は1,163百万円の増加となった。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が11,251百万円多くなっており、本年度差額は1,475百万円となり、純資産残高は1,580百万円の増加となった。連結では、後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が14,845百万円多くなっており、本年度差額は1,992百万円となり、純資産残高は2,160百万円の増加となった。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は3,924百万円であったが、投資活動収支については、新福祉会館施設整備事業費等を行ったことから、▲5,329百万円となった。財務活動収支については、地方債の発行収入が償還額を上回ったことから、1,863百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から458百万円増加し、2,596百万円となった。H29~R1を集中投資期間としており、その間投資活動支出(公共施設等整備費支出)及び財務活動収入(地方債発行収入)が増加することが見込まれる。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より4,104百万円多い8,028百万円となっている。連結では、後期高齢者医療広域連合における補助金収入等が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より4,823百万円多い8,747百万円となっている。
財務書類に関する情報②(2018年度)
1.資産の状況
有形固定資産減価償却率については、昭和53年頃に整備された資産が多く、整備から40年以上経過して更新時期を迎えていることなどから、類似団体より若干高い水準にある。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。また、住民一人当たり資産額、歳入額対資産比率については類似団体平均より下回っているが、過去の投資抑制による結果と思われる。H29年度からR1年度まで集中投資期間としており今後は上昇することが見込まれる。
2.資産と負債の比率
純資産比率は、類似団体平均とほぼ同程度であるが、H30年度においては税収等の財源が純行政コストを上回ったことから純資産が増加し、昨年度から1,163百万円増加している。「松阪市行財政改革推進方針」に基づき効率的で効果的な事務・事業を実施し、行政コストの削減に努めているところである。純資産比率が類似団体平均より若干下回っているが、H29年度よりR1年度まで集中投資期間として計画的に投資を実行しており、今後は資産の新規取得の増加が見込まれる。また、それに伴う負債の増加(地方債の借入れによる)が見込まれるが、対策として短期償還を実施している。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。特に、純行政コストのうち55.6%を占める移転費用が、住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。本市においては県下でも扶助費の割合が突出している為、状況の把握、整理、研究を進め、社会保障給付や他会計への繰出金の増加傾向に歯止めをかけるよう努めているところである。
4.負債の状況
基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を下回ったため、△1,560百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、新福祉会館施設整備事業など公共施設等の必要な整備を行ったためである。住民一人当たり負債額が類似団体平均を下回っているのは、過去の投資抑制に伴い起債発行も抑制されていたことが要因と考えられるが、H29年度からの集中投資期間において、類似団体平均へ近づいていくと思われ、今年度(H30)もその傾向が見て取れる。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。公共施設等の使用料の見直しを行うとともに、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。なお、類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、18,190百万経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、982百万円経常収益を増加させる必要がある。このため、公共施設等の使用料の見直し等を行うとともに、松阪市行財政改革推進方針に基づく行財政改革により、経費の削減に努める。
類似団体【Ⅳ-2】
当別町
倶知安町
余市町
白老町
釧路町
雫石町
猪苗代町
日立市
ひたちなか市
大洗町
美浦村
利根町
栃木市
小山市
中之条町
みなかみ町
滑川町
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