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人口減少や少子高齢化、町税収入の伸び悩みなどの要因から、自主財源に乏しい状況が続き、類似団体平均、全国平均、県平均を下回っている状況は変わっていない。収入面での見通しは大きな向上は見込めず、今後は、現在推進している若狭町行財政改革プランに基づき、「歳入に見合った歳出」を念頭に歳出削減に努めていく。限られた財源のなかで、「定住促進」と「住民自治」を推進するために、施策の重点と行政運営の効率化を更に進め、財政の健全化を図る。
町税及び地方交付税の減により経常一般財源が減少したが、補助費及び公債費等の経常支出も減となったことから前年度比0.9%良化している。しかしながら、町を取り巻く経済状況は依然として厳しく、安易な収入増加は見込みにくいことから、経常的経費の削減に向けて、事務事業等の精査による物件費や補助費の削減、適正な定員管理による人件費の削減に努めていく。このほか、事業費の大きいハード事業に関しては、財政状況を鑑みながら、計画的な展開を図るとともに、実質公債費比率推移も見据えた計画的な地方債の発行に努める。
物件費の経常収支比率に占める割合は類似団体を下回っているものの、人口に対する職員数の割合が類似団体と比較して高いことや、分庁方式による庁舎運営、出先機関に係る物件費は高い水準で推移している。職員数、総人件費については、計画的な定員管理を着実に実行していくことにより抑制していく。今後は、庁舎の在り方や施設の統廃合・民営化を検討し、効率的かつ効果的な行政運営に努める。
集中改革プランに基づき、事業の民営化などを含め、退職者の補充を抑制するなどしながら、職員数の削減を図ってきたが、合併の影響や既存の出先機関の存続等により類似団体を大きく上回っている。今後も、更に公共施設の民間委託の拡大、庁舎・保育所・学校等の統廃合を検討しながら、計画的な職員採用により職員数の削減に努める。
合併関係事業を含む町単独事業の普通建設事業に係る地方債の償還が多いことから類似団体を上回っている。繰上償還の実施や地方債発行額の抑制を実施しているが、実質公債費比率は高い水準での推移が予想される。今後も地方債の年間発行額の制限や建設事業の見直し、平準化、債務負担行為の抑制を徹底し、住民ニーズを的確に把握した事業の選択に努め、より有利な財源の確保も含め、地方債を財源として頼ることのないよう財政運営に努める。
合併算定替え終了による普通交付税の減少の影響や地方債残高、特別会計への繰出金も多いことから、将来負担比率は類似団体の中でも高い水準にある。一部事務組合の加入数も多く、負担等見込額も同様に大きいが、公営企業、組合とも地方債残高の減少、普通会計の地方債残高の減少により抑制されてきているが、基金の減少、施設更新時期の到来など不安要因は多い。今後とも後世への負担を少しでも軽減できるよう、地方債を財源としている事業については、事業の実施の有無等についても再検討や計画的な実施を徹底し、財政の健全化を図る。
人件費に係る経常収支比率は、類似団体平均を下回っている。要因としては、組織・機構の見直しや計画的な職員採用による人員削減によるもののほか、ごみ処理業務や消防組合等で行っていることなどが挙げられる。今後も民間移行や業務委託を推進しながら、計画的な職員採用を継続し人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、合併後の住民サービス低下を招かないよう庁舎の分庁方式の採用や出先機関の維持等があるものの、事務事業の見直し等により、類似団体と比較して下回っている。今後とも、経常的な経費の削減に努め、抑制を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体と比較すると低くなっているが、障害者への給付事業や医療費助成事業などの費用は増加しており、扶助費全体としての経費は増加している。児童手当の支給対象者や単独事業の減少等による抑制要因も考えられるが、今後も、少子高齢化の影響により上昇していくことが予想されることから、社会保障制度の変更に対応しながら、効果的で財政負担の少ない施策の実施に努める。
国民健康保険や後期高齢者医療、介護保険、簡易水道や下水道関係の各特別会計への繰出金が主なものである。後期高齢者医療や介護保険は、自然増に伴い年々増加傾向にあるが、簡易水道や下水道関係事業の特別会計については、計画的な施設更新、使用料の見直し検討を進めるとともに、維持管理に係る経費削減の徹底に努め、独立採算制の原則に沿って各会計の運営を行うことにより、繰出金の抑制を図っていく。
依然として補助費等は類似団体や全国平均と比較して高い水準にあり、主な要因である一部事務組合等への負担金は年々上昇傾向であるため、類似団体と比較しても大きく上回っている。また、各種補助金については、若狭町行財政改革プランに基づき、一律の削減を実施し経費削減に努めているが、今後も目的や効果を確認しながら、更なる削減に努める。
公債費に係る経常収支比率は、平成20年度以降類似団体を上回っている。合併以降の大規模事業の推進による地方債償還が本格的に始まってきたことが要因であり、償還ピークは終了したが、依然として高い水準にある。今後も計画的な建設事業の実施と地方債の年間発行地方債の上限設定により、公債費に係る経常収支比率の抑制に努める。
公債費以外の経費で、経常収支比率全体に占める割合は、平成19年度以降同水準で推移してきている。今後は、若狭町行財政改革プランに基づき、「歳入に見合った歳出」を念頭に効率的かつ安定した財政運営に努めます。また、今後予想される社会保障関係経費の自然増も視野に入れながら、住民サービスの低下を招かないように経費の削減に努める。
(増減理由)繰越金の増により、財政調整基金に340,388千円積み立てた一方、各種事業への財源として115,000千円を取り崩したことや企業誘致促進事業等により合併地域振興基金を425,000千円を取り崩したことなどにより、基金全体としては、123,713千円の減となった。-(今後の方針)普通交付税の合併算定替えの終了や法人税の伸び悩み、また、公債費の高止まりの影響、さらには、合併地域振興基金が令和2年度には底をつく見込みにより、短期的には厳しい財政運営が予想されるなか、財政調整基金の運用は避けられない状況が予想される。このような状況のなかでも、有利な財源の確保に努め、事業の取捨選択を図りながら、財政調整基金はもとより、各種特定目的基金についても、急激な残高の減少を抑制し、安定した財政運営に努めることとしている。
(増減理由)合併地域振興基金の取崩しによる繰越金の増によるものである。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の15%~20%の範囲内であることを目標に努めることとしている。また、災害への備えのため、一般会計予算規模(平均100億円)の1割程度を目途に確保できるよう努めていきたい。
(増減理由)基金利息を積み立てたことによる5千円の増加(今後の方針)平成27年度に地方債償還のピークを迎えたが、平成33年度に再びピークを迎え、その後、減少傾向が見込まれている。地方債償還残高についても、類似団体と比較すると多いが、近年、地方債発行額を抑制していることから減少傾向にある。地方債の償還計画を踏まえながら、可能な限り減債基金への積立てを実施していきたい。
(基金の使途)合併地域振興基金:旧町単位の均衡ある発展を目指し、住民の連帯の強化及び協働のまちづくりを推進し、地域振興を図るためのもの。ふるさと応援基金:ふるさと納税制度を活用して寄せられた寄付金を町を元気にするための事業の財源に充てるもの。88(増減理由)合併地域振興基金:企業誘致促進事業により、275,000千円を取り崩したほか、デマンド交通運行事業やこども医療費助成事業、妊婦・乳児健康診査事業、保育所総務管理事業など各種事業に150,000千円を取り崩したことによる減少。ふるさと応援基金:ふるさと納税による増加。インターネット媒体等の活用により増加しており、今後、さらなる増加にも期待している。(今後の方針)合併地域振興基金:旧町単位の均衡ある発展のため活用してきたが、平成30年度末残高は、224,003千円となっており、今後も企業誘致促進事業による支出も見込まれ令和2年度には底をつく見込みとなっている。ふるさと応援基金:インターネット媒体等の活用により、増加傾向にある。寄付金の使途については、寄付をされる方の意向に沿った形で運用をする予定であり、令和2年度以降は年間2億円を積み立てすることを目標としている。
有形固定資産減価償却率は類似団体を下回っている。それぞれの公共施設等について個別施設計画を今年度策定予定であり、各施設の老朽化状況の調査を行い、当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めてく。
平成28年度から30年度にかけて実施された上中中学校改修事業に係る既発債の発行が終了し、将来負担額は減少傾向にあるものの、類似団体と比較して職員数が多く、人件費が高い水準にあるため、債務償還可能年数も類似団体と比べると長くなっている。令和4年度までに職員数を類似団体を参考に削減することとしており、人件費の削減に努めている。
地方債の新規発行を抑制してきた結果、将来負担比率が低下しているが依然として将来負担比率が類似団体と比べて高い水準にある一方、有形固定資産減価償却率は類似団体よりもやや低い水準まで低下している。これについては、公共施設等総合管理計画において、公共施設について積極的に複合化・統廃合を進めていくこととしている。
実質公債費比率・将来負担比率ともに類似団体を大きく上回っているが、将来負担比率については年々減少している。これは若狭町行財政改革プランにおいて、毎年の地方債の新規発行額を6億円以内とすると設定し、新規発行を抑制してきたためである。実質公債費率については微増の傾向にある。上記取り組みにより地方債残高は減少しているが、他方、収入についても普通交付税の合併算定替の終了等により減少しているためと考えられる。今後も地方債の発行抑制、繰り上げ償還等に努め、実質公債費比率・将来負担比率の改善を目指していく。
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