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平成26年度は、基準財政需要額が増額となったが、それ以上に基準財政収入額が増額となったため、前年度比0.01ポイント上回った。また、基準財政収入額については増加しているが、平成26年度の税収の徴収率は92.4%と低い水準にあるため、徴収率向上対策を中心とする歳入の確保に努める。
経常収支比率が悪化した要因としては、前年度と比較して経常一般財源が約4億7千万円増額となったが、支出面において、生活保護費など扶助費の増加に歯止めがかからず、扶助費分だけで平成21年度から約15.8億円の経常経費充当一般財源が増加しており、普通交付税及び臨時財政対策債への依存度は年々高まっている。平成26年度は類似団体平均を上回っているため、引き続き、行財政改革推進本部を設置し、市税徴収率向上対策や公共施設運営のアウトソーシングなど、更なる事務事業の効率化により、経常経費の抑制に努める。
人件費・物件費等が類似団体平均を下回っている要因としては、特に人件費において、職員定数の削減や給与改定等により、類似団体より少なくなっているためである。一方で物件費については、正規職員数の不足を臨時職員等で補っている状況であり、平成21年度比で、臨時・非常勤職員数は54人、約10.5%増加しており、臨時職員等に係る賃金等の物件費が発生している。この他、公共施設の指定管理者移行に伴い、業務委託に伴う物件費が発生している。
ラスパイレス指数は職員の就退職や異動に伴い、経験年数、平均給料月額及び職種区分に変動が生じ、職員構成が変動したことや、給与改定の実施等によって、数値が上下する。職員の退職や国に準じた給与改定の実施等により、新座市職員の平均給料額は低下したものの、国の職員の平均給料額の低下がそれ以上に大きく、相対的に市職員の平均給料額が高くなった結果、ラスパイレス指数が100を超えている。平成24年度から25年度にかけては、国家公務員が平均7.8%となる減額を実施していることから、市職員の平均給料額が相対的に高い状態がより顕著になり、高い数値となったが、平成26年度以降は国家公務員の減額終了に伴い、指数が元の水準に戻った。なお、新座市は平成25年7月1日から国家公務員に準じて職員の特例減額を実施しており、減額後の新座市のラスパイレス指数は100.6と、ほぼ横ばいの数値で推移している。
人口千人当たり職員数が類似団体平均を下回っている要因としては、平成11年度から平成25年度を計画期間とする職員定数削減計画に基づき、新規採用の抑制、事業の民間委託及び指定管理者制度の導入等により、職員数の削減を推進してきた。その結果、職員数は平成24年度に最少となり、その後は横ばいで推移している。平成25年度には、これまでの削減ありきの削減計画から、現在の業務量に見合った適正な職員数配置することとし、平成26年度から平成32年度を計画期間とする職員定数適正化計画を策定した。この結果、平成26年度の職員数は平成21年度比で25人、約2.94%の減員となっている。
実質公債費比率は平成20年度から平成22年度まで類似団体平均を上回っていたが、平成23年度以降は類似団体平均を下回った。実質公債費比率が前年比0.3ポイント上回った要因としては、新座駅南口第2土地区画整理事業債(平成20年度借入分)、片山小学校校舎大規模改修事業債、(仮称)道場公園用地取得事業債等の償還が始まったことにより、元利償還金の額が約4億円増加したこと、都市計画事業の財源として発行された地方債償還額に充当した都市計画税が約3億円減少したことなどが挙げられる。今後も、借入れの抑制、計画的な償還を通じて、実質公債費比率の改善に努めていく。
前年比0.7ポイント下回った要因としては、下水道事業特別会計の元金残高の減(約7億円)による公営企業債等繰入見込額が約9億円減少したこと、都市高速鉄道12号線建設促進基金の増(約3億円)及び庁舎建設改修基金の増(約4億円)等により、充当可能基金が約2億円増加したことが挙げられる。今後も、借入れの抑制、計画的な償還を通じて、地方債元金残高の減少に努めていく。
人件費に係る経常収支比率が、類似団体平均を下回る傾向にある要因として、平成19年度及び平成21年度以降の給与改定の実施、職員定数削減に基づく職員数の削減、高齢職員の昇給抑制の推進等を行ったことが挙げられる。この結果、平成26年度の人件費は平成21年度比で約52.3億円、約7.1%の減となっている。人件費額としては、国家公務員に準じた特例減額を実施した平成25年度が最小であり、平成26年度については給与の増額改定を行った結果、人件費額自体は増加しており、経常収支比率も上昇した。
物件費に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っているものの、前年度比0.2ポイント上回った要因としては、普通交付税や臨時財政対策債が減額しているが、分母の経常一般財源は増加している一方で、平成26年度の物件費にかかる経常経費充当一般財源は約40億円で、学校給食調理委託料に係る費用の増加等により、前年度比1.3億円増加したことが挙げられる。行財政改革により、事務費等の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、生活保護費の額が急激に膨らんでいることなどが挙げられる。新座市の平成26年度生活保護費は、約5千万円増の約47億3千万円となっている。資格審査等の適正化により、増加傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が悪化した要因としては、老朽化した公共施設等の維持補修費が増加しているためである。今後は、老朽化した公共施設は、スクラップ・アンド・ビルドによる統廃合を推進し、経費の効率化に努める。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を大きく上回っているのは、消防やごみ処理の運営を担う一部事務組合に対する運営費負担金が主な要因で、平成26年度の補助費等に係る経常収支比率15.4%のうち7.6%は当該一組負担金に係る分である。また、私立幼稚園に就園している児童の保護者の経済的負担を軽減するため、所得に応じて補助をしており、平成26年度は国の補助単価が増額されたこと、第2子、第3子の所得制限が廃止されたことなどにより、これに係る費用の増も要因である。
公債費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、前年度比0.5ポイント上回った要因としては、普通交付税や臨時財政対策債が減額しているが、分母の経常一般財源は増加している一方で、例年約40億円前後で推移していた公債費の決算額が、平成26年度は臨時財政対策債や教育債、土木債の元利償還の増などにより、約45億円となったことが挙げられる。市債の借入れに当たっては、地方交付税措置のある適債事業を選択し、借入れの抑制、計画的な償還を通じて、公債費負担の軽減に努めていく。
公債費以外の経常経費については、平成26年度は、類似団体平均を3.7ポイント上回っている。この要因としては、生活保護扶助費の増加により、扶助費が増加したことなどによるものである。生活保護費の資格審査等の適正化に努め、効果的な行政サービスの実現を図っていく。
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