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財政力指数が類似団体平均を下回っているのは、人口150,000人以上の類似団体の中では小規模団体であり、相対的に財政基盤が弱いためである。平成22年度に数値が悪化した主な要因は、平成20年秋のリーマンショックに端を発する世界的金融危機に伴う税収減によるものであるが、類似団体平均も同様の曲線を描いている。平成22年度の税収の徴収率は89.0%と低い水準にあるため、徴収率向上対策を中心とする歳入の確保に努める。
経常収支比率が改善されている要因は、平成19年度以降、普通交付税及び臨時財政対策債が増加していることによるもので、普通交付税及び臨時財政対策債だけで平成19年度から約35億円の経常一般財源が増加していることが挙げられる。しかし、支出面においては生活保護費など扶助費の増加に歯止めがかからず、扶助費分だけで平成19年度から約11.3億円の経常経費充当一般財源が増加しており、普通交付税及び臨時財政対策債への依存度は年々高まっている。平成22年度は類似団体平均を下回ったものの、この構造は変わっていない。引き続き、行財政改革推進本部を設置し、市税徴収率向上対策や公共施設運営のアウトソーシングなど更なる事務事業の効率化により、経常経費の抑制に努める。
人件費・物件費等が類似団体平均を下回っているのは、特に人件費について、職員定数の削減や給与改定等により、年々減少傾向にあるためである。一方で、職員数の不足については臨時職員等で補う状況にあり、平成18年度から平成22年度にかけて、臨時・非常勤職員数は96人増加している。このように臨時職員等に係る賃金等が発生していること、また、市の施設の指定管理者への移行に伴い、業務委託に伴う物件費が発生していることから、全体としては緩やかな減少となっている。
ラスパイレス指数は、職員の就退職や異動に伴い、経験年数、平均給料額及び職種区分の変動が生じ、職員構成が変動したことや、給与改定等によって、数値が増減する。職員の退職や給与改定により、新座市職員の平均給料額は低下したものの、国の職員の平均給料額の低下がそれ以上に大きく、相対的に市職員の平均給料額が高くなり、ラスパイレス指数が上昇した。特に、経験年数の大きい区分において、市職員の平均給料額が国の職員の平均給料額と比較して高くなる傾向があり、ラスパイレス指数を引き上げる要因となっている。
人口千人当たりの職員数が類似団体平均を下回り、かつ減少傾向にあるのは、平成10年度に職員定数削減計画を策定し、新規採用職員数の調整を行うことで、職員数の削減を推進しているためで、平成18年度から平成22年度にかけて職員数を48人、平成18年度比で約5.4%削減した。また、転入・出生者数が転出・死亡者数を上回り、市の人口が年々増加していることも、人口千人当たり職員数が減少傾向にあることの要因となっている。
実質公債費比率は、類似団体と比較すると高い水準であるが、堅調に改善している要因として、公営企業、一部事務組合、債務負担行為による準公債費が、平成18年度からそれぞれ約3~5億円減少していることが挙げられる。平成21年度までの間、改善幅が類似団体平均に比べて鈍化しているのは、新座市土地開発公社の債務解消をこの間に集中して行ったことにより債務負担行為による準公債費が毎年度6億円程度計上されていたためである。市債の償還額を超える新規借入は行わず、公債費抑制に努める。
将来負担比率が類似団体平均を下回っているものの、急速に数値の改善が図られている要因として、新座市土地開発公社の経営健全化を実施しており、平成19年度から平成21年度までに同公社の債務を約47億円(約75%)解消したことや、公営企業債新規借入抑制により下水道事業特別会計の将来負担額が約33億円(約23%)減少したことが挙げられる。新座市土地開発公社は、全債務を解消し、平成25年度に解散する予定である。市債の償還額を超える新規借入は行わず、債務残高減少に努める。
人件費に係る経常収支比率が類似団体平均を下回り、減少傾向にある要因として、平成19年度と平成21年度以降の給与改定を実施したことや、職員定数削減計画に基づく職員数の削減、高齢職員の昇給抑制の推進、特殊勤務手当等の手当の見直しを行ったことが挙げられる。この結果、平成18年度から平成22年度にかけて、職員に係る人件費を約5.5億円、平成18年度比で約7%削減した。
物件費に係る経常収支比率が改善されているのは、普通交付税や臨時財政対策債の増額により、分母の経常一般財源が増加しているためである。平成22年度の物件費に係る経常経費充当一般財源は約36.5億円と例年と横ばいで、人件費抑制に伴う公共施設管理や事務事業のアウトソーシングに係る費用が固定化していることなどから、今後も同程度の水準で推移すると見込まれる。行財政改革により、事務費等の削減等に努める。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、生活保護費の額が急激に膨らんでいることなどが挙げられる。新座市の平成22年度の生活保護率は14.8‰と、高い水準である。資格審査等の適正化により上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、老朽化した公共施設の維持補修費と下水道施設の維持管理経費として下水道事業特別会計への繰出金が増加しているためである。老朽化した公共施設は今後、スクラップアンドビルドによる統廃合を推進し、経費の効率化に努める。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を大きく上回っているのは、消防やごみ処理の運営を担う一部事務組合に対する運営費負担金が主な要因で、平成22年度の補助費に係る経常収支比率14.1%のうち8.2%は当該一組負担金に係る分である。平成22年度は、当該一組の設備投資に伴う借入の償還が一部完了したこと等に伴い、約1億円経常経費充当一般財源額が減少しており、当面、減少傾向が続く見込みである。
公債費に係る経常収支比率が改善されているのは、普通交付税や臨時財政対策債の増額により、分母の経常一般財源が増加しているためで、例年、公債費の決算額は約40億円前後で推移しており、平成22年度は約40.5億円と前年度から約0.5億円増加している。今後、臨時財政対策債や土地開発公社経営健全化に伴う借入の元金償還が開始するため、当面、普通会計の公債費は同程度の水準で推移すると見込まれる。
公債費以外に係る経常収支比率が類似団体平均を下回ったのは、特に人件費において改善が図られたことによるものである。今後も人件費の適正化に努め、効果的な行政サービスの実現に図る。
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