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平成24年度は、類似団体平均を0.05上回ったが、基準財政需要額が増額となったことにより、前年度比0.03下回った。また、基準財政収入額については増加しているが、平成24年度の税収の徴収率は90.1%と低い水準にあるため、徴収率向上対策を中心とする歳入の確保に努める。
経常収支比率が改善されている要因は、平成20年度以降、普通交付税及び臨時財政対策債が増加していることによるもので、普通交付税及び臨時財政対策債だけで平成20年度から約34億円の経常一般財源が増加していることが挙げられる。しかし、支出面においては生活保護費など扶助費の増加に歯止めがかからず、扶助費分だけで平成20年度から約12.4億円の経常経費充当一般財源が増加しており、普通交付税及び臨時財政対策債への依存度は年々高まっている。平成24年度は類似団体平均を下回っているが、引き続き、行財政改革推進本部を設置し、市税徴収率向上対策や公共施設運営のアウトソーシングなど更なる事務事業の効率化により経常経費の抑制に努める。
人件費・物件費等が類似団体平均を下回っている要因としては、特に人件費において、職員定数の削減や給与改定等により、年々減少傾向にあるためである。一方で物件費については、正規職員数の不足についてを臨時職員等で補う傾向にあり、平成20年度から平成24年度にかけて、臨時・非常勤職員数は85人増加しており、臨時職員等に係る賃金等が発生している。また、市の施設の指定管理者移行に伴い、業務委託に伴う物件費が発生している。
ラスパイレス指数は職員の就退職や異動に伴い、経験年数、平均給料月額及び職種区分に変動が生じ、職員構成が変動したことや、給与改定の実施等によって、数値が上下する。職員の退職や給与改定の実施等により、新座市職員の平均給料額は低下したものの、国の職員の平均給料額の低下がそれ以上に大きく、相対的に市職員の平均給料額が高くなり、ラスパイレス指数が上昇した。平成25年については、国家公務員が平成24年度から平均7.8%となる減額を実施していることから、結果として、平成24年度に引き続き高い数値となっている。なお、国家公務員が減額を実施しなかった場合の平成24年度の参考値は101.4。平成25年度においては、新座市は7月1日から国家公務員に準じて職員の特例減額を実施しており、減額後の新座市のラスパイレス指数は100.6と、条件を一定にした場合は、数値が減少傾向にある。
人口千人当たり職員数が類似団体平均を下回っている要因としては、平成21年度に職員定数削減計画を策定し、新規採用職員数の調整を行うことで、職員数の削減を推進しているためである。平成20年度から平成24年度にかけて、職員数を32人、平成20年度比約3.7%削減した。
実質公債費比率は平成20年度から平成22年度まで類似団体平均を上回っていたが、平成23年度以降は類似団体平均を下回った。実質公債費比率が順調に改善している要因として、公債費に準ずる債務負担行為のうち、道路用地取得に伴う一般財源が約5億円減少したこと、下水道事業特別会計の準元利償還金算入額が約4億円減少したことなどが挙げられる。借入の抑制、計画的な償還を通じて、実質公債費比率の改善に努めていく。
将来負担比率が類似団体平均を上回っているものの、急速に数値の改善が図られている要因として、基準財政需要額算入見込額のうち、公債費の算入見込額が約13億円増加したこと、下水道事業特別会計の地方債残高が約9億円の減となったことなどが挙げられる。借入の抑制、計画的な償還を通じて、地方債元金残高の減少に努めていく。
人件費に係る経常収支比率が、類似団体平均を下回る傾向にある。この要因として、平成19年度及び平成21年度以降の給与改定の実施、職員定数削減に基づく職員数の削減、高齢職員の昇給抑制の推進等を行ったことが挙げられる。この結果、平成20年度からの5年間で職員に係る人件費を約5.6億円、平成20年度比7.5%削減した。
物件費に係る経常収支比率が改善されているのは、普通交付税や臨時財政対策債の増額により、分母の経常一般財源が増加しているためである。平成24年度の物件費にかかる経常経費充当一般財源は約35.4億円と例年と比較して横ばいで、人件費抑制に伴う公共施設管理や事務事業のアウトソーシングに係る費用が固定化していることなどから、今後も同程度の水準で推移すると見込まれる。行財政改革により、事務費等の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因として、生活保護費の額が急激に膨らんでいることなどが挙げられる。新座市の平成24年度生活保護費は、前年度から約2億円増の約46億円となっている。資格審査等の適正化により、増加傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が改善されている要因は、下水道施設の維持管理経費として下水道事業特別会計への繰出金が減少しているためである。一方で老朽化した公共施設の維持補修費は増加している。今後も老朽化した公共施設は、スクラップ・アンド・ビルドによる統廃合を推進し、経費の効率化に努める。
補助費に係る経常収支比率が類似団体平均を大きく上回っているのは、消防やごみ処理の運営を担う一部事務組合に対する運営費負担金が主な要因で、平成23年度の補助費に係る経常収支比率14.0%のうち7.6%は当該一組負担金に係る分である。平成24年度は、前年度と比較し、当該一組負担金に対する経常経費充当一般財源額が約6千万円減少しており、当面、減少傾向が続く見込みである。
公債費に係る経常収支比率が改善されているのは、普通交付税や臨時財政対策債の増額により、分母の経常一般財源が増加しているためで、例年、公債費の決算額は約40億円前後で推移している。市債の借入れに当たっては、地方交付税措置のある適債事業を選択し、借入れの抑制、計画的な償還を通じて、公債費負担の軽減に努めていく。
公債費以外の経常経費については、平成24年度は、類似団体平均を0.4上回ることとなった。前年度と比較すると数値は改善しているが、類似団体平均を上回る結果となっている。これは、生活保護扶助費の増加により、扶助費が増加したことなどによるものである。生活保護費の資格審査等の適正化に努め、効果的な行政サービスの実現を図っていく。
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