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平成28年度は、基準財政需要額が、基準財政収入額の増額よりも大きかったが財政力指数は平成27年度と同様に0.90となった。また、平成28年度の税収の徴収率は94.1%と前年度に比べ0.9%上昇しており、徴収率は年々向上しているが、引き続き、徴収率向上対策を中心とする歳入の確保に努める。
経常収支比率が悪化した要因としては、前年度と比較して人件費等の減額により経常経費充当一般財源が約1億6千万円減額したものの、地方消費税交付金、株式等譲渡所得割交付金、臨時財政対策債の大幅な減により、経常一般財源が約2億円の減となったことが挙げられる。平成28年度も類似団体平均を上回っているため、引き続き、行財政改革推進本部を設置し、市税徴収率向上対策や公共施設運営のアウトソーシングなど、更なる事務事業の効率化により、経常経費の抑制に努める。
人件費・物件費等が全国平均及び類似団体平均を下回っている要因としては、人件費・物件費共に、経常収支比率が他の団体より低水準となっているためである。特に人件費については、経常収支比率も全国平均及び類似団体平均を著しく下回っており、これは職員数が少ないことが要因であるが、正規職員数の不足を補う臨時・非常勤職員数については、平成23年度比で、41人、約7.2%増加している。このことから、臨時職員等に係る賃金等の物件費は増加していると思われるが、物件費に係る経常収支比率については、近年は横ばいで推移している。
ラスパイレス指数は職員の就退職や異動に伴い、経験年数、平均給料月額及び職種区分に変動が生じ、職員構成が変動したことや、給与改定の実施等によって、数値が上下する。職員の退職や国に準じた給与改定の実施等により、新座市職員の平均給料額は低下したものの、国の平均給料額の低下がそれ以上に大きく、相対的に市職員の平均給料額が高くなった結果、指数が100を超えている。平成24年度から平成25年度にかけては、国家公務員が平均7.8%となる給与減額を実施したことから、市職員の平均給料額が相対的に高い状態がより顕著になり、高い数値となったが、平成26年度以降は国家公務員の減額終了に伴い、指数が元の水準に戻った。なお、新座市は平成25年7月1日から国家公務員に準じて職員の特例減額を実施しており、減額後の新座市のラスパイレス指数は100.6と、ほぼ横ばいで推移している。
人口千人当たりの職員数が全国平均及び類似団体平均を下回っている要因として、平成11年度から平成25年度を計画期間とする職員定数削減計画に基づき、新規採用の抑制、事業の民間委託及び指定管理者制度の導入等により、職員数の削減を推進してきたことが挙げられる。平成25年度には、これまでの削減ありきの削減計画から、現在の業務量に見合った適正な職員数配置とすることとし、平成26年度から平成32年度を計画期間とする職員定数適正化計画を策定した。しかしながら、実配置職員数は横ばいとなっており、人口千人当たりの職員数が全国平均を大きく下回るとともに、類似団体内でも最少となっている。その後、平成29年度には国の進める働き方改革の一環として、平成30年度からの3年間について、職員定数適正化計画の見直しを行い、現状に合致した職員数の配置を図っていく。
実質公債費比率は平成23年度以降は類似団体平均を下回っていたが、平成27年度以降は類似団体平均を上回っている。実質公債費比率が前年比0.5ポイント上回った要因としては、新座駅南口第2土地区画整理事業債(平成22年度借入分)、(仮称)ふるさと新座館整備事業債(平成24年度借入分)、市民会館・中央図書館第2駐車場用地取得事業債等の償還が始まったことにより、元利償還金の額が約1億2千万円増加したことなどが挙げられる。今後も、借入れの抑制、計画的な償還を通じて、実質公債費比率の改善に努めていく。
前年比5.6ポイント上回った要因としては、普通会計の地方債現在高が約8億6千万円増加したこと及び都市高速鉄道12号線建設促進基金残高の皆減(約9億2千万円)等により、充当可能基金が約6億7千万円下減少したことが挙げられる。今後も、借入れの抑制、計画的な償還を通じて、地方債元金残高の減少に努めていく。
人件費に係る経常収支比率が全国平均及び類似団体平均を下回っている要因としては、職員数が他の自治体よりも少なく、人件費が抑制されていることが挙げられる。本市の給料水準を示すラスパイレス指数は、全国市平均をやや上回る程度であるが、人口当たりの職員数については、全国平均及び類似団体平均を下回っており、結果的に人件費決算額も低く抑えられ、人件費に係る経常収支比率が低い水準にとどまっている。
物件費に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っているものの、前年度比0.1ポイント上回った要因としては、分母の経常一般財源が減少した一方で、平成28年度の物件費に係る経常経費充当一般財源が学校給食調理委託料の増加等により前年度比約3千万増加していることが挙げられる。行財政改革により、事務費等の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率が0.5ポイント改善しているものの、類似団体平均を上回っている要因としては、児童福祉費等が急激に膨らんでいることなどが挙げられる。新座市の平成28年度児童福祉費は、約2億円増の約74億5千万円となっている。資格審査等の適正化により、増加傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が悪化した要因としては、下水道の維持管理費として下水道事業特別会計繰出金が増加したこと等により、経常経費充当一般財源が約1億3千万円増加したことが挙げられる。今後、老朽化した公共施設については、スクラップ・アンド・ビルドによる統廃合を推進し、経費の効率化に努める。
補助費等に係る経常収支比率が類似団体平均を大きく上回っているのは、消防やごみ処理の運営を担う一部事務組合に対する運営費負担金が主な要因で、平成28年度の補助費等の経常収支比率15.3%のうち、7.7%は当該一組負担金に係る分である。また、予防接種委託料の増加等により、当該一組負担金を除いた補助費等の経常経費充当一般財源が約4千7百万円増加していることも要因である。
公債費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、前年度比0.3ポイント上回った要因としては、分母の経常一般財源が減少した一方で、例年約40億円前後で推移していた公債費の決算額が、平成28年度についても、臨時財政対策債、教育債の元利償還金の増などにより、約44億円となったことが挙げられる。市債の借入れに当たっては、地方交付税措置のある適債事業を選択し、借入れの抑制、計画的な償還を通じて、公債費負担の軽減に努めていく。
公債費以外の経常経費については、平成28年度は、類似団体平均を0.6ポイント上回っている。この要因としては、生活保護費、児童福祉費等の扶助費が増加していることなどによるものである。今後、サービスの適正化に努め、効率的な行政サービスの実現を図っていく。
実質公債費比率は近年類似団体と比較して低い水準であったが、平成27年度は高くなっている。また、将来負担比率については、類似団体と比較して高い水準であるが平成25年度以降は特に高くなっている。将来負担比率が平成25年度以降特に高くなった要因は、平成25年度、26年度に小中学校の屋内運動場やトイレの改修事業債を発行したことによるものである。将来負担比率は平成25年度以降少しづつ低下しているものの類似団体と比較すると高い状況であることから、実質公債費比率についても平成27年度以降も類似団体を上回って推移していくものと想定される。
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