経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、前年度より7.3%上回っている。主な要因としては、営業費用の受水費及び減価償却費の減少である。しかしながら、老朽管路等の老朽水道施設の更新・長寿命化事業に係る財源確保ため更なる費用削減が必要である。また、累積欠損金比率も、受水費及び減価償却費の減少に伴い最終利益が黒字となったことから、未処理欠損金に補填した。流動比率は、平成29・30年度の水源開発事業の実施に伴い、今後は公債費の元金償還が増加することから注視する必要がある。企業債残高対給水収益比率は、今後、管路更新を予定しており、事業実施に伴う企業債の借入れが必要となることから公債費の増加が懸念される。料金回収率は、前年度より7.21%上昇している。要因としては、営業費用の減少により給水原価が減少したため、昨年に引き続き100%を上回ることになった。給水原価は、類似団体より下回っているが、水源開発事業が平成31年度共用開始に伴い、減価償却費の増加が予想されるため、今後増加する恐れがある。施設利用率は、年々減少傾向にある中で今年度は昨年度より1.5%上昇しているが、今後給水人口の減少に伴い利用率の低下が見込まれるため、浄水施設の規模縮小や利用方法を検討していきたい。有収率は、年々下落傾向にあり、更なる老朽管路の更新事業等の実施が必要である。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、上昇傾向であり、管路経年化率も横ばい状態が続いている。要因としては、老朽管路等の布設換え事業も実施しているが、事業実施量の少ないことが考えられる。また、2ヶ所の浄水施設のうち横田浄水場が耐用年数を経過し、また、給水人口の減少等に伴い送水量が減少しており、施設の規模縮小などを検討していかなければならない。なお、将来的には抜本的な基幹管路の更新計画、浄水場の利用方法などを見直しながら更新を行う必要がある。
全体総括
今年度は、昨年同様人口減少などに伴い給水収益が減少しているが、減価償却費の減少に伴い最終黒字となっている。全ての水道施設において、法定耐用年数以上の資産が多く、また、健全経営を維持するためにも安定した水源の確保とともに、平成28年度に策定したアセットマネジメントを基に料金改正も視野に入れながら収益の確保が必要である。