福知山市：福知山市民病院

地域において担っている役割

当院は、救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院、第２種感染症指定医療機関、災害拠点病院、周産期医療病院、中丹地域リハビリテーション支援センターに指定されるなど、京都府北部の医療拠点として高度・専門的な医療の提供とともに、医師、看護師等の医療人材の養成施設としての役割を担っている。

経営の健全性・効率性について

経常収支は100％を上回っており経営状況は概ね良好である。年度前半は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により患者数が減少し診療収入が落ち込んだものの、後半には回復し、コロナ病床確保による補助金等を受けたこともあり経常収支比率は前年を上回った。病床利用率は、年度前半の患者数の減少とコロナ病床確保の影響により前年度を下回った。診療単価については、コロナ禍により患者総数が減少するなか、がん治療などの高額薬品の投薬治療の割合が増えたことなどにより前年度を上回った。

老朽化の状況について

平成18年の病院全面改築から14年を経過し、改築に伴い整備した大型医療機器等の更新を順次進めるとともに、新型コロナウイルス感染症対策として設備や医療機器を増設するなど医療機能の強化にも努めている。平成29年度の電子カルテの更新をはじめとして、高額医療機器等の更新を順次進めており、平成30年度以降における器械備品の減価償却率は平均より下回っている。地域の中核病院としての医療ニーズに応えるため、放射線治療機器などの大型で高額な機器や施設を整備しているため1床当たりの有形固定資産額は多くなっている。

全体総括

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により年度前半の医業収入が落ち込んだが、コロナ関連補助金収入を含めた経常収支は黒字となり、累積欠損金も減少した。なお、全面改築から14年を経過し、施設・設備の経年劣化による維持管理や更新、大型医療機器の更新等に多くの費用を要することが考えられるため、今後の人口動態、疾病構造、医療政策などを的確に把握し計画的で合理的、効率的な事業運営をしていく必要がある。