地域において担っている役割
当院は、救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院、第2種感染症指定医療機関、災害拠点病院、周産期医療病院、中丹地域リハビリテーション支援センターに指定されるなど、京都府北部の医療拠点として高度・専門的な医療の提供とともに、医師、看護師等の医療人材の養成施設としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率、医業収支比率とも毎年度100%を上回り、累積欠損金比率は減少し経営面ではおおむね良好である。業務に関しては病床利用率は90%超と効率的な病床運用ができており、平成30年度は脳神経外科の診療体制を充実し、単価の高い手術件数が増加したことにより、入院平均単価の増に影響した。外来については、抗がん剤等高額注射薬剤投与の増加等により単価が平均値を上回っている。職員給与費は業務のアウトソーシング化により低く、材料費については抗がん剤や循環器科材料など高額な材料費により高い数値となっている。
老朽化の状況について
平成18年の病院全面改築から12年を経過し、改築に伴い整備した医療機器等は償却を終えており、順次更新時期をむかえている。また平成29年度には電子カルテの更新をはじめ器械備品の取得が多く、それらの影響により平成30年度における償却率は平均より下回っている。病院機能を果たすため、放射線治療機器などの大型で高額な機器を整備しているため1床当たりの有形固定資産額は多くなっている。
全体総括
業務状況、財務状況は良好ではあるものの利益率は年々縮小傾向となっている。また、全面改築から12年を経過し、施設・設備の経年劣化による維持管理や大型医療機器の更新等に多くの費用を要するため、今後の人口動態、疾病構造、医療政策などを的確に把握し計画的で合理的、効率的な事業運営をしていく必要があると考えている。