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基準財政需要額が社会福祉費における単位費用の増によって増加している一方で,市町村民税及び固定資産税の増額により基準財政収入額も増加したため,財政力指数としては前年度より微増となった。
公債費や補助費等の減により経常的支出が減少したことや,経常的に収入される一般財源等について,個人市民税や固定資産税が増額となったことから,前年度と比較して2.2ポイント減少し,三重県平均及び類似団体平均との差も縮小した。しかし,前年度と比べて人件費はほぼ同額,扶助費は増額となっているため,行財政改革の推進等により経常経費の縮減に努めていきたい。
人件費はほぼ横ばいであるものの,教育情報化推進費等による物件費等の増により,全体数値は増額となった。類似団体平均や三重県平均と比べると低い値にはなっているが,引き続き定員管理や給与の適正化,公共施設マネジメントの推進等を実施し,全体の経費を削減していきたい。
類似団体の平均値と比較すると平均値以上に減少傾向が続いており,平成27年の1.5ポイント差から,1.2ポイント差まで改善している。要因としては,6級以上の職員数および割合が年々少なくなっていることがあげられるが,依然100を超えており,全国平均と比較しても高い値となっている。「初任給高」であることと,5級以上の職員割合が,国と比較して多いことが考えられるが,ここ数年の指数が減少傾向であることから,今後の推移を見ながら,給料の適正水準化に努める。
近年は若干の変動は見られるもののほぼ横ばいの傾向が続いている。類似団体内の順位としては高いものの,数値で見れば平均値より低い値となっている。また,全国及び三重県平均数値と比較しても低い値である。今後も,事務事業の見直しと適正人員の配置,短時間勤務再任用職員及び会計年度任用職員の活用,行政サービスの担い手最適化の検討等により,引き続き職員の削減を図ることのできる部分においては削減を継続する一方で,今後見込まれる新たな行政需要(新規事業,事業拡大,権限移譲等)に対しては,施策の着実な実現を図るため,必要かつ適正な人員配置を行うこととする。
ここ数年は地方債発行を抑制してきたことや繰上償還等により,市債残高の増加を抑えることができている。今後は,公共施設の老朽化対策等により,大規模改修事業が複数控えているが,保有量や運営管理の適正化など公共施設マネジメントの推進により,市債発行額や市債残高の急増を防止したい。
財政調整基金への積立により充当可能基金が増加したことや下水道事業会計への準元利償還金(繰出金)等が減少したことにより,昨年度に引き続き,充当可能財源等が将来負担額を上回り,比率は算定されなかった。類似団体,全国及び三重県平均を大きく下回っているものの,今後は公共施設の老朽化対策等により市債発行額が増加し,市債残高も増額すると予想されるため,基金残高の確保と繰上償還等により財政の健全性の維持に努める。
平成30年度と比較すると0.2ポイント減少しているが,類似団体や全国,三重県平均と比べても高い値となっている。事務事業の見直しと適正人員の配置,短時間勤務再任用職員及び会計年度任用職員の活用,行政サービスの担い手最適化の検討等により,引き続き人件費の削減に努める。
平成30年度と比較すると0.6ポイント増加し,類似団体,全国及び三重県平均全てを大きく上回っている。増加の主な要因は,教育情報化推進費等によるものである。また,物件費が高止まりしている要因としては,平成26年度から開始した中学校給食や,平成29年度から開始した清掃センターの管理運営委託等によるものである。今後,事務事業の見直しを進め,経常経費の削減を図る。
物件費やその他の経費の割合が増加したことで,ポイントは減少したものの,幼児教育・保育の無償化に係る費用など子ども子育て関連経費や,障害児通所支援事業費などにより,類似団体や三重県平均を上回っている。経費が増加し続けると,財政を圧迫するため,必要な福祉政策の精査をする必要がある。
平成30年度から0.4ポイント増加した主な要因は,水道事業への出資金が増加したためであるが,介護保険事業に係る広域連合負担金や後期高齢者医療特別会計への繰出金も依然として増加傾向にある。扶助費と合わせて,社会保障関連経費全体の見直しが必要である。
補助費等の大部分は,平成24年度から下水道事業の公営企業化に伴い支出している補助金等(繰出金)が占めている。平成30年度と比較すると,下水道事業への補助金が減少したことや,幼児教育・保育の無償化により,私立幼稚園就園助成費が減少したことで1.4ポイント減少した。類似団体,全国及び三重県平均を下回っているが,市の財政負担を軽減するため,必要性の低い補助金の見直しや廃止に取り組む。
過去に市債発行を抑制してきたことから,ここ数年減少傾向にあり類似団体や全国そして三重県平均全てを下回っている。今後は公共施設の老朽化対策等により,市債発行額及び市債残高の増額が予想されるが,計画的な財政運営により,基金残高の確保と臨時財政対策債等の発行抑制,繰上償還に取り組み,公債費負担の平準化と経費の縮減に努める。
前年度と比較すると0.8ポイントの減少となった。減少の主な要因は,下水道事業会計への繰出金の減によるものである。社会保障関連経費の増加傾向に加え,今後は公共施設の老朽化対策等により維持補修費の増加が見込まれるため,福祉政策の精査や公共施設マネジメントの推進等により,経常的経費を削減し,健全な財政運営に努めていく。
(増減理由)財政調整基金については取崩しを行わず,決算剰余金2億円を積み立てた一方,減債基金については市債発行抑制のため4億円の取崩しを行ったこと,また,生活環境施設整備基金については,残額約1億3,163万円を取り崩し,清掃センターの改修費用へ充当したこと等により,基金全体としては前年度と比較すると減額となった。※生活環境施設整備基金については,令和元年度に残額全てを取り崩したため,表中には記載されていない。(今後の方針)財政調整基金の残高を確保しつつ,公共施設の老朽化対策等に備えるため,また基金の使途の明確化を図る目的からも,必要に応じて特定目的基金へ積み立てていくことを予定している。
(増減理由)取り崩しを行わず,決算剰余金を2億円積み立てたことにより総額としては増加している。(今後の方針)公共施設の老朽化対策等に多額の費用を要する見込みであり,財政調整基金の取崩しにより収支バランスを維持する状況が想定されるため,中長期的には減少する見込みである。行財政改革や公共施設マネジメントの推進等により,計画的な財政運営を行い,財政調整基金の適正額を確保していく必要がある。
(増減理由)市債発行抑制のため4億円の取崩しを行ったことにより減少した。(今後の方針)公共施設の老朽化対策等により増加が見込まれる市債発行の抑制に取り組むという観点から,計画的に活用していく。
(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設整備のための基金すずか応援基金:すずか応援寄附金(ふるさと納税)を寄附者の意向に応じた事業の財源とするための基金緑の基金:街路や公共施設の緑化のための基金ふるさと水と土保全基金:中山間地域の活性化を目的とした基金森林環境基金:森林環境譲与税を積み立て,間伐や人材育成・担い手の確保,木材利用の促進等に活用するための基金(増減理由)すずか応援寄附金:寄附者の意向に応じた事業の財源として充当するための約1億4,400万円を取り崩したが,令和元年度に受領したすずか応援寄附金(ふるさと納税)を約1億7,400万円を積み立てたため,前年度と比較すると3,000万円増加した。(今後の方針)公共施設整備基金:公共施設等の施設整備に対応するため適宜積み立て・取崩しを行い,計画的な運用で適正額を確保していく必要がある。ふるさと水と土保全基金:農業生産条件の不利な中山間地域等において,集落等を単位に,農用地を維持・管理するための農業生産活動に対して交付金を支払う事業へ充当するため,102万7千円を取り崩す予定。
有形固定資産減価償却率は,類似団体や全国と比較すると低い水準にあるが,施設の老朽化が進んでいるため,上昇傾向となっている。今後は,令和2年度に策定した個別施設計画に基づき,老朽化した公共施設の長寿命化改修や改築を行う予定としており,施設改修等にあたっては複合化や集合化についても積極的に検討していく。
退職手当の負担見込みなどの将来負担額は減少したものの,類似団体・三重県平均と比較すると人件費が高い水準にあることから,債務償還比率も類似団体等と比べると高くなっている。適正な人員配置・ICT等の導入による業務の効率化などを行い,時間外勤務の削減等を検討し,引き続き人件費の削減を図る。
将来負担比率と有形固定資産減価償却率のいずれも類似団体平均値より低い水準にあるものの,有形固定資産減価償却率については上昇傾向にあり,今後は老朽化した施設整備に係る市債残高も増加していく見込みのため,策定した個別施設計画に基づいた計画的な対策に取り組んでいく必要がある。
将来負担比率は,減債基金の取り崩し等により,充当可能基金は減少したものの,下水道事業会計への繰出金等が減少したことなどにより依然として0未満となっている。また,実質公債費比率においては,過去に市債発行額をできる限り抑制してきたことから,平成27年度以降は元利償還金の減少などによって改善傾向にある。しかし,今後は公共施設の老朽化に伴う市債発行額の増加が予想されるため,基金残高の確保と繰上償還等により市債残高の抑制を図り,健全性の維持に努める。
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