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基準財政収入額における市民税法人税割が過年度精算で減となり,交付基準額は微増したが,財政力指数は平成27年度とほぼ同レベルで推移した。法人市民税の推移に影響を受けやすいことから,景気の動向を注視し財政運営を行っていく。
臨時財政対策債の発行可能額が減少したことや,地方消費税交付金が減少したことにより,経常的に収入される一般財源等が減少したため,前年度より0.6ポイント増加している。歳入においては,基金繰入金や臨時財政対策債の発行状況で数値が変動するため,公債費の縮減や行財政改革の推進により歳出の経常経費の縮減に努め,改善させたい。
前年度からの主な増加要因は,マイナンバー対応のためのセキュリティ対策等による物件費の増加である。類似団体や全国及び三重県平均に比べると低い値になっているが,平成25年度以降は人件費が上昇傾向にあり,全体数値が増加している。今後も人件費において,定員管理方針に基づく定員管理や給与の適正化に努め,民間委託等も含め,全体の経費削減に努める。
平成28年度は前年度と同値であったが,ここ数年は微減傾向となっている。全国平均は微増から横ばい傾向とはいえ,全国平均からは依然高い値であり,更に類似団体内においては,非常に高い値となっている。要因としては,「初任給高」であることと,5級以上の職員割合が,国と比較して多いことが考えられるが,ここ数年の指数が微減傾向であることから,今後の推移を見ながら,給料の適正水準化に努めることといたしたい。
近年はほぼ横ばいの傾向が続いており,前年度と同値である。類似団体内の順位としては高いものの,値で見れば平均値より低い値となっている。また,全国及び三重県平均と比較しても低い値である。今後も,事務事業の見直しと適正人員の配置,短時間勤務再任用職員及び嘱託・臨時職員の活用,行政サービスの担い手最適化の検討等により,引き続き職員の削減を図ることのできる部分においては削減を継続する一方で,今後見込まれる新たな行政需要(新規事業,事業拡大,権限移譲等)に対しては,施策の着実な実現を図るため,必要かつ適正な人員配置を行うこととする。
庁舎建設事業の償還終了などにより元利償還金が減少し,前年度と比較して1.0ポイント改善した。全国及び三重県平均に比べ低い値となっている。今後は清掃センターの改修対策事業など公共施設の老朽化対策等により,市債残高の増加が予想される。
類似団体,全国及び三重県平均に比べ,低い値となっている。前年度と比較し,一般廃棄物処理事業等において地方債現在高が減少し,前年度より8.3ポイント減少した。今後は公共施設の老朽化対策等で市債発行が増加し,市債残高の増加が予想されるため,基金残高の確保と繰上償還等により市債残高の抑制を図り,健全性の維持に努める。
平成27年度に比べ0.8ポイント増加しており,類似団体や全国,三重県平均と比べても高い値となっている。時間外勤務の縮減と適正人員の配置,短時間勤務再任用職員及び嘱託・臨時職員の活用,行政サービスの担い手最適化の検討等により,引き続き人件費の削減を図る。
類似団体,全国,三重県平均のいずれも上回っている。その主な要因は,中学校給食の開始に伴い平成26年度から学校給食費が大きく増加したことや,ごみ収集業務等の民間委託により衛生費の委託料が大きいことである。平成28年度は,マイナンバーのセキュリティ対策等により委託料が増加し,経常収支比率が増加している。
生活保護費の減少等により,平成27年度に比べ0.7ポイント減少しているものの,子ども子育て関連経費や障がい者への自立支援への経費が増加する傾向にあることから,類似団体や全国,三重県平均と比べて高い値となった。福祉ニーズが高まる中でも,福祉施策を精査しながら柔軟な財政運営を行う必要がある。
経常的な経費としては繰出金が主なものである。平成24年度に下水道事業の公営企業化に伴い,繰出金を補助金として支出したために繰出金が大きく減少したものの,その後は微増傾向にある。前年度と比較すると,後期高齢者医療特別会計のための民生費繰出金が増加し,0.7ポイントの増加となった。扶助費とともに,社会保障関係経費としての運用を検討していく必要がある。
補助費等の大部分を,平成24年度から,下水道事業の公営企業化に伴い補助金として支出している繰出金が占めており,ここ数年はほぼ横ばいで推移している。全国,三重県平均は下回っているが,普通会計の財政負担と,受益者負担とのバランスをとりながら適正な金額となるよう調整していく。
過去の市債発行の抑制等の効果により,元利償還金の決算額が減少し,それに係る経常収支比率もここ数年減少傾向にある。類似団体,全国,三重県平均を下回っている。今後,老朽化している公共施設の更新等により投資的経費に係る市債発行額が増加する見込みもあるため,臨時財政対策債等の発行を抑制し,公債費負担の軽減に努める。
公債費に係る経常収支比率は減少しているが,その他は0.6ポイントの増加となった。今後も社会保障費の増加による扶助費や公共施設の老朽化による維持補修費の増加が見込まれる。行財政改革や公共施設管理計画により経常的経費の削減に努める必要がある。
将来負担比率においては,平成26年度から財政調整基金等の取り崩しを行っていることで充当可能基金残高が減少し,比率が増加している。実質公債費比率においては,過去に市債発行をできる限り抑制してきたことから元利償還金の減少などによって比率は改善してきている。今後は,公共施設の老朽化や大規模事業の実施などの財政需要により市債発行の増加や基金の取崩しによる財源確保を余儀なくされることも考えられ,どちらの比率も悪化することが危惧される。今後の財政運営については,財政規律を意識し基金残高の確保と市債発行の抑制や繰上償還等により市債残高を減少させ健全性の維持に努める。
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