経営の健全性・効率性について
経営収支比率は126.12%と前年度と同水準で推移しており、また、累積欠損金比率も昨年度に引き続き0.00%となっていることから、健全な経営状態を維持しています。流動比率は616.46%で前年度比613.18ポイント低下しましたが、類似団体平均355.27%や全国平均264.34%と比較しても指標は上回っており、支払い能力に問題は無い状態といえます。前年度より低下した要因としては増設用配水池築造工事の施工に伴い工事未払金が増加したことによるものです。企業債残高対給水収益比率は449.7%で、前年比50.32ポイント減と順調に低下しています。料金回収率は110.27%で、支払利息の減等により前年度比1.6ポイント向上しています。また、給水原価も前年度比1.02円減少し、122.74円となりました。類似団体平均187.18円や全国平均165.71円と比べても安価であるのは、郡上市合併以降進めてきた職員数の削減を始めとする施設管理費用の削減と、郡上の恵まれた良好な水源水質によるものと考えられます。有収率は昨年度に続き低下し、前年度比2.29ポイント減の82.21%となりました。数年来漏水対策に取り組んでいますが、広域に亘る管路の老朽化により対策が及ばない現状が要因と考えます。今後も夜間調査を継続して実施していき向上を目指します。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は50.55%となり、類似団体平均46.61%や全国平均48.12%をやや上回りました。施設の法定耐用年数に近い資産が徐々に増加していることがわかります。管路経年化率は0.00%です。今後、耐用年数の到来を見据えた計画的な管路の更新が必要であり、耐震化を兼ねた更新をH32年度から着手する予定としています。
全体総括
職員数の削減や支払利息・減価償却費の低減により経常費用は減少傾向にありますが、一方で、収益面において継続する人口減少や市民意識の変化による節水型社会への移行により料金収入が減少するなど、水道事業を取り巻く環境は極めて厳しいものとなっています。安心・安全な水を安価な料金で安定的に供給するため、適正な維持管理に努めるとともに、更新投資についても、施設・設備の重要度や老朽化度合等に重点を置き、財政バランスの取れた効率的・効果的な更新を進めるため、郡上市新水道ビジョンの策定に取り組みます。