経営の健全性・効率性について
ここ数年、単年度の経常収支比率が平均値を大きく下回り95%を切り、料金回収率は改善しているものの昨年ついに繰越利益剰余金が赤字となった。今後も一層の料金回収率の改善を図るとともに経費削減と漏水対策を行い、有収率を含む各比率の向上に努め、赤字解消に努めていきたい。また浄水場建設以後、起債借入を行わず自己資金での運営を行ってきたが、今後取組んでいく施設や老朽管の更新について、少子高齢化に伴う人口減に注意しながら世代間負担の公平性を保つためにも今後とも必要に応じて起債借入を行うことも検討していく。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体よりも低い数値で推移しているが、若干右肩上がりとなっている。今後も耐震性、長寿命化を図りながら、計画的で効率の良い管路更新を実施していく。
全体総括
給水人口の減少とリフォーム等による節水器具の普及により、給水収益が年々落ち込んでいる。また漏水修理や施設修繕に伴う費用が嵩み、予算規模も大きくないことからも思うような更新事業の予算が取れていない。今後も厳しい財政状況が予測されるが、料金改定は町民生活に及ぼす影響が大きいことから、資金不足を補うための企業債の活用などにより現行の料金体系を維持しつつ、今後策定予定である経営戦略により長期の水道事業を見据えた中で、一層の事業投資効果・経済性を考慮し健全財政に努めていく必要がある。