地域において担っている役割
当院は山武長生夷隅保健医療圏の救急告示病院として、各医療機関との患者の紹介・逆紹介などの協力体制を構築しながら、二次救急を担うとともに地域がん診療病院として緩和ケア病棟の運営や回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟の運営を行っています。また、診療所や介護・回復期を経て自宅に復帰するまで、切れ目のない医療を提供し、地域に密着し信頼される地域包括型医療の提供を行っています。
経営の健全性・効率性について
●経常収支比率及び医業収支比率ともに、令和元年度は100%を下回ってしまいましたが、類似病院平均値は上回っている状況です。今後も地域の医療提供体制における役割を適切に果たし、良質な医療提供と持続可能な経営に努めていきます。●病床利用率は55.2%と類似病院平均値と比べかなり低くなっております。●職員給与費対医業収益比率は60.5%となり、類似病院平均値よりも高い状況にあります。●材料費対医業収益比率は16.4%と類似病院平均値と比べ低い状況にあります。材料費のうち診療材料と医薬品は競争見積を実施し、価格の抑制に努めております。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率は上昇傾向にあり、類似病院平均値と比べ高い状況にあります。また、旧成東病院より引き継いだ器械備品の中には、減価償却が終了したものも多く、設備の老朽化が進んでいることを踏まえ、医療機器の更新を毎年度予算の範囲内で段階的に行っている状況です。
全体総括
令和元年度で地方独立行政法人化して10年が経過しました。コロナ感染拡大により患者数の減少、台風災害による建物・機械備品修理の増加、看護師奨学金免除損等があり、赤字となりました。多くの問題を抱えてはいますが、今後も高齢化率の上昇など、病院を取り巻く環境が大きく変わる中で、中期目標・中期計画を基に安定した病院経営への復活を目指していきたいと考えております。