地域において担っている役割
当院は山武長生夷隅保健医療圏の救急告示病院として、各医療機関との患者の紹介・逆紹介などの協力体制を構築しながら、二次救急を担うとともに地域がん診療病院として緩和ケア病棟の運営や回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟の運営を行っています。また、診療所や介護・回復期を経て自宅に復帰するまで、切れ目のない医療を提供し、地域に密着し信頼される地域包括型医療の提供を行っています。
経営の健全性・効率性について
●経常収支比率は100%を上回りましたが、類似病院平均値よりも低くなり、医業収支比率は100%を下回りましたが、類似病院平均値よりも上回る結果となりました。●病床利用率は50.1%と類似病院平均値と比べかなり低くなっております。●職員給与費対医業収益比率は61.7%となり、類似病院平均値よりも高い状況にあります。●材料費対医業収益比率は15.5%と類似病院平均値と比べ低い状況にあります。材料費のうち診療材料と医薬品は競争見積を実施し、価格の抑制に努めております。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率は上昇傾向にあり、類似病院平均値と比べ高い状況にあります。また、旧成東病院より引き継いだ器械備品の中には、減価償却が終了したものも多く、設備の老朽化が進んでいることを踏まえ、医療機器の更新を毎年度予算の範囲内で段階的に行っている状況です。
全体総括
令和2年度で地方独立行政法人化して11年が経過しました。千葉県において2度の緊急事態宣言が発令されたことにより、患者数が大幅に減少となりました。2回目の宣言時に、かんわケア病棟20床を閉鎖し、感染症病棟10床を開設しました。令和3年3月に院内クラスターが発生したため、外来休診、新規入院患者受入れ停止を行いました。これらにより医業収益が大幅な減収となりました。コロナウイルス感染症関連の補助金等の申請により、黒字に転向できましたが、今後もコロナ禍・高齢化率の上昇など、病院を取り巻く環境が大きく変わる中で、中期目標・中期計画を基に安定した病院経営への復活を目指していきたいと考えております。