経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、営業費用が減少したため数値は改善したが、類似団体平均より低い傾向にあり、経営が厳しい状況にあると考えられる。その要因としては、給水原価が類似団体平均よりも25%程度高いこと及び施設利用率の低迷が影響している。今後の更新投資等に充てる財源を確保するため経営改善を図っていく必要がある。②累積欠損金比率は、平成25年度まで発生していたが、平成26年度には会計制度の改正により解消されている。しかしながら、営業活動を給水収益で賄うことが難しい状況にあるため、経営改善を図っていく必要がある。⑤料金回収率は、100%以上であり、類似団体平均を上回ってはいるが、今後の更新投資等を考えた場合には十分なものとは考えられず、更なる経費削減や適切な料金水準を考える必要がある。⑥給水原価は、225円前後で推移しており、類似団体平均と比較して高い傾向にある。要因として受水費の占める割合が高いことが挙げられる。今後、受水費の値上げの可能性も考えられるため、投資・維持管理費の抑制及び水道料金の改定も視野に入れる必要がある。⑦施設利用率は、下降傾向にあり、平成29年度からは類似団体平均を下回っている。要因としては人口の減少や企業の節水等が考えられる。⑧有収率は97~99%台で推移しており、類似団体平均と比較しても高い数値である。しかしながら、今後は法定耐用年数を超えた管路が急激に増えるため、漏水等を注視していく必要がある。
老朽化の状況について
平成28年度より、法定耐用年数を超えた管路が発生している。今後は、年々法定耐用年数を超えた管路が増える状況にあり、計画的に更新を進めていくことを考えなければならない。漏水事故等に対しては、事後対応ではなく出来る限り予防的に対応するべきである。また、老朽管の更新と併せて耐震化を進める必要がある。
全体総括
今後、法定耐用年数を超える管路等が年々増加する状況にあり、更新工事又は修繕等で費用が増加することが見込まれる。健全な水道事業経営を行うために経営戦略及び老朽管更新計画等を策定し、計画に沿いながら更新工事等を行えるようにしていく必要がある。以上のことから、経費の更なる削減を考えていくことは勿論、事業運営に必要になる適切な料金収入を確保するため、料金改定も視野に入れ、事業を行う必要がある。