経営の健全性・効率性について
経常収支比率、流動比率、料金回収率とも100%を超えており、累積欠損もなく、経営は黒字となっている。企業債残高対給水収益比率については、ここ数年新たな企業債借入れを行っていないため類似団体平均値の二分の一以下と低く、企業債残高の割合は少ない。効率性については、水源から配水池までの導水管に大規模な漏水があったこと等により、施設利用率は類似団体平均値を大きく下回ったが、有収率は、漏水多発地区の配水管を更新したことから、類似団体平均値を上回ることができた。
老朽化の状況について
第3次拡張事業(昭和53年~昭和62年)で整備した資産が法定耐用年数に近づいたため、有形固定資産減価償却率が高くなっている。管路更新率が類似団体平均値の2倍超と高かったため、管路経年化率は平成29年度と比べ1.95%低くなったものの、依然として類似団体平均値を大きく上回るため、今後も更新を進めなければならない。
全体総括
現在のところ黒字が続いており、経営の健全性については良好といえる。しかし、施設や管路の老朽化が進んでおり、優先順位や施設の統廃合等適切な投資規模を予測して計画的な更新事業を行っていかなければならない。そのためには多額の費用が必要となるが、人口減少や節水意識の高まりにより収入の増加は見込めないため、今後も経費の削減に努めるほか、新規の企業債借入や料金改定等の財源確保についても検討が必要と思われる。