経営の健全性・効率性について
【現状分析】①経常収支比率について、類似団体平均値は上回っているが、全国平均値は若干下回っている。近年、経常収支比率が減少傾向にある。②累積欠損金比率直近10年間では欠損金が発生していない。③流動比率について、全国平均値及び類似団体平均値を下回っている。④企業債残高対給水収益比率について、給水収益は年々減少傾向にある。企業債残高については減少傾向にある。⑤料金回収率について、全国平均値及び類似団体平均値を上回っており、適切な料金回収ができていると考えられるが、近年、減少傾向にある。⑥給水原価について、全国平均値及び類似団体平均値よりも低い給水原価となっている。⑦施設利用率について、全国平均値及び類似団体平均値を下回っている。これは人口の減少と遊休状態の施設があるためだと考えられる。⑧有収率について、全国平均値及び類似団体平均値を下回っており、H30年度は70%を下回った。これは配管の漏水等によることが原因と考えられるため、対策が急務である。【課題分析】人口が減少してきており、今後は収益の減少が見込まれる。そのため、さらなる経費の節減、有収率の向上対策、水道料金の改定も視野に入れた検討を行っていく。まずは、有収率向上のための対策として、漏水対策に取り組んでいく。
老朽化の状況について
【現状分析】①有形固定資産減価償却率について、全国平均値及び類似団体平均値を上回っており、また、数値も年々増加傾向にあるため、法定耐用年数に近い施設等が多く存在していることがわかる。②管路経年化率について、40年を超えた管路が総延長の約14%存在しており、年々増加傾向にあるが、平均値を下回っている。③管路更新率について、ここ数年、管路更新事業を実施していない状態である。【課題分析】法定耐用年数を超えている又は法定耐用年数に近い施設の統廃合・改修や配水管等の長寿命化を図り、適切な資産管理を行っていく必要がある。また老朽化等により配水管内で漏水が起こっているため、箇所を特定し対策を講じ、有収率の向上を図っていく必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性については、流動比率・施設利用率・有収率の項目が、全国平均値及び類似団体平均値を下回っており、その他の項目については、全国平均値及び類似団体平均値を上回っており健全な値となっている。施設利用率を増加させるためには、遊休状態の施設への対応方法に関する検討を進めていく必要がある。また、有収率を増加させるためには、水道管の漏水箇所に関する調査及び漏水箇所の特定、古い水道管の更新を行っていく必要があり、まずは漏水箇所の特定が急務である。施設や管路の老朽化については、法定耐用年数に近く、更新ができていない現状である。今後、人口減少の加速、さらに施設等の老朽化が進むこととなる。計画的に施設や管路の更新をしていくためにも、さらなる経費の節減、有収率の向上対策、水道料金の改定、施設の統廃合等を視野に入れ、適切な水道事業運営を行っていく必要がある。