経営の健全性・効率性について
類似団体平均より経常収支比率、料金回収率は高く、給水原価は低くなっています。累積欠損金も発生しておらず健全な経営状況と考えます。ただし、企業債残高対給水収益比率が他類似団体に比べ高い比率を示していますが、統合前の簡易水道事業に係る企業債を含んでいるためであり、それを除くと類似団体平均値に近い数値となっています。今後も、資金残高とのバランスに注意しながら借入額の抑制が必要です。健全な事業経営のためには、黒字経営はもとより料金回収率100%超を継続していくことが必要です。施設の統廃合・ダウンサイジング等投資の効率化や経費削減を図りながら、給水原価及び更新費用も含めた適切な料金収入の確保が不可欠です。
老朽化の状況について
整備計画に基づき、病院・災害時避難所等の施設への給水確保を考慮し、優先度を設定して基幹管路及び施設の耐震化・更新を進めています。平成29年度からは、更新計画に基づき施設の統廃合を行うため、耐用年数を経過した町中心部の基幹管路の更新を5箇年計画にて実施しています。その後も引き続き、主要な管路から順次、布設替を行っていきます。
全体総括
人口減少・節水意識の高まりによる水需要の減少、耐震化・水質改善への対策等に伴う費用の増加、職員の異動による技術継承の問題等、小規模事業者の抱える課題は山積しています。経営計画に沿い適正な規模での施設整備を実施し、事業全体として経営の効率化を進め、収支改善のための料金改定も検討しながら、将来にわたって安定的な事業の継続を目指して取り組んでいきます。