経営の健全性・効率性について
累積欠損金はなく、給水原価は悪化したものの類似団体平均値並みであり、一定の安定性を保っている。流動比率、企業債残高対給水収益比率は高い数値を示しているため、水道料金による収入により運転資金を確保できている。しかし、平成30年7月豪雨災害の影響等により給水原価が大幅に上昇したこと、また、全国平均を大きく下回っており良い数値とは言えず、施設の利用率の高さが料金収入に反映されていない状況である。人口減少、節水意識の向上等により給水収益は減少することが予想されるため、今後、安定的な経営を維持するため、水道料金の改正を行い、また、アセットマネジメントにより施設の更新等についても検討を行っていく。
老朽化の状況について
管路経年化比率は、全国平均や類似団体平均値と比較して低い数値に留まっているが今後は高くなることが想定される。反対に管路更新率は低く、有形固定資産減価償却費率は平均値を超えており、全体的に施設の老朽化が進んでいる状態である。今後の修繕費等の維持管理に係る費用の増加を抑制し、施設を効果的に利用していくため、アセットマネジメントを基に重要度・優先度をふまえた施設の更新を行い、老朽化に伴う突発的な事故の軽減に努めていく必要がある。
全体総括
現状では一定の安定性を保っているものの、収支状況は平成30年7月豪雨災害の影響で悪化し、今後についても厳しい状況が予想される。また、施設の老朽化は進んでおり、有収率も全国平均を大きく下回っているため、適切な維持管理、施設更新及びそのための費用を確保するため、今後の給水収益の減少も加味し、水道料金の改正を行っていく。