経営の健全性・効率性について
①については、事業開始後10年間の多額な建設費を地方債で賄ったため、その償還金額が費用全体の4割以上を占める状況となり、収支比率が低い水準となっている。しかし、下水道整備の進捗による有収水量の増加により使用料も増加し、収支比率は徐々に改善傾向にある。H27は収益に比べ地方債償還金がH26より増加したため、収支比率が若干低下した。④については、H25以外は類似団体と同水準となっており、投資規模はほぼ適切であると言える。⑤については、汚水処理費の財源の6割以上を一般会計からの繰入金で賄っていること、使用料の料金体系を利用者の負担に配慮し低く設定していることから、類似団体と比べて非常に低い水準にある。⑥については、事業整備率が4割程度で有収水量が少ないこと、建設費用に加え施設設備の維持管理費も必要となることから、汚水処理原価が高額となっているが、事業の進捗により有収水量が微増しわずかながら改善傾向にある。⑦については、事業の進捗により処理水量が増え、H25からは計画目標である7割をほぼ維持している。⑧については、下水道処理区域内で下水道に接続している割合を示している。戸別訪問や工事前説明会等接続推進活動の継続により、改善傾向にある。
老朽化の状況について
事業計画に基づき毎年整備を進めている。類似団体と比較すると、良好な改善率を維持している。今後も計画に沿った整備を進めていく。
全体総括
事業整備率が低く、使用料収入で賄うべき汚水処理費(公費負担分を除く)を一般会計からの繰入金に依存する状況が続いている。事業整備を進め有収水量を増加させるとともに、事業開始時に低く設定した使用料の料金体系を定期的に見直し、H52の事業完了時には経費回収率100%を目指していく。また、施設設備の効率的かつ効果的な維持管理を行うとともに、中期経営計画に基づき計画的に更新していく。