経営の健全性・効率性について
水洗化率に見られるように、当市では下水道整備を積極的に進め、高い普及率となっている。しかしながら、施設利用率は低い水準にあり、過大スペックとなっている可能性がある。平成24年7月に下水道使用料の改定を行い、激変緩和のため最大3年間の経過措置を設定したことから、平成24年度以降下水道使用料収益が増加してきた。経常収支比率や経費回収率で改善が見られるとともに、累積欠損金を解消することができた。しかし、今後は使用量の減少とともに、収益の減少が見込まれる。料金値上げに伴い資金が増加し、平成24年度に流動比率が上昇したが、引き続き減少傾向にあり、なお、財源の確保が必要である。企業債残高は順調に減少してきており、汚水処理原価の減少も、企業債利息の減少が影響していると考えられる。
老朽化の状況について
当市の下水道事業においては、耐用年数を超えた管渠は残っていない。面的整備は完了しており、維持管理の段階に至っている。現在、施設の長寿命化計画を策定し、計画に基いた更新改良を行っている。
全体総括
当市の下水道事業は、高い普及率を上げており、面的整備は完了し、維持管理の段階に入っている。ただし、施設利用率の低下が見られ、過大なスペックとなっていないか、検証が必要である。経営状況は、平成24年7月に料金改定を行い、使用料収益が増加したものの、今後は使用量の減少に比例して収益の減少が見込まれる。依然として、資金不足の傾向があり、基準外繰入金が必要な状況であるが、今後、経営の健全化に向けて、引き続き料金設定のあり方を検討していく。