経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、前年度に比べ1.23ポイント増となったものの、100%を割り込んでいる。しかしながら企業債残高対事業規模比較においては、平成24年度以降年々減少傾向となっており、平成25年度からは類似団体平均値と同等水準になってきている。経費回収率においては、100%以上には至っていないが、前年度より1.61ポイント増となり、年々改善が図られているものの、類似団体平均が上昇したことから、平成27年度においては類似団体平均を下回っており、汚水処理原価においては、前年度に比べ2.96円縮減され、また類似団体平均よりも低い水準を維持できている。水洗化率については、市街化区域における汚水整備が平成22年度で概ね整備が完了していることから、100%に近い割合であり、類似団体平均を大幅に上回る水準である。このような状況下であるものの、単年度収支が未だ赤字であるため、更なる経営改善に向けた取組みが必要である。
老朽化の状況について
本町においては、昭和60年度から公共下水道を供用開始し、平成22年度に概ね整備が完了しているところだが、近い将来、施設の老朽化が急速に進むことが見込まれるため、現在、施設等の長寿命化計画を策定し、策定された計画に沿って、財政負担に配慮しつつ、優先順位の高い施設から、順次老朽化対策を推進していく必要がある。
全体総括
人口減少や企業の節水意識の高揚等から、近い将来、厳しい経営状況に推移することが予想されることや、施設の老朽化が進んでいる状況を踏まえ、投資計画の見直し、維持管理経費削減等を進める必要がある。また、収益的収支比率は向上したが、100%未満であることから、下水道事業における経営努力は今後も必要不可欠であり、特に経営基盤の強化として、更なる水洗化率の向上、経費の削減、使用料適正化等について、なお一層力を注いでいくことが必要である。