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個人市民税をはじめとする市税収入が歳入全体に占める割合が高く、財政力指数は類似団体平均値を上回っている。しかし、前年度比較では、基準財政収入額と基準財政需要額の乖離が、平成24年度では4千万円であったのに対し、平成25年度では3億5,500万円に広がっており、基準財政需要額が基準財政収入額を上回った。今後も社会福祉費や生活保護費を主な要因として基準財政需要額が伸びていく一方で、市税収入の大きな伸びは期待できないことに連動して基準財政収入額が低迷する見込みであることから、財政力指数は低下していくと予測している。
類似団体平均値が90.0%であるのに対し、本市は93.3%と4年連続で類似団体平均値を上回ることとなったが、前年度比較では2.3ポイントの改善となっている。この主な要因は、歳出面では人件費の減少傾向が継続しており、公債費においても償還が進み2億1,300万円減となったものの、物件費における妊婦乳児健康支援費補助金や子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金の一般財源化などにより、歳出要因で0.7ポイント悪化させたこと、また歳入面では、個人市民税が景気回復により前年度と比べ7億3,400万円の増となったことなどにより、3.0ポイント改善する要因となった。今後も扶助費の増加傾向が続くと予想されることから、経常収支比率の悪化を食い止めるため、市税収入をはじめとする自主財源の確保に努める。
平成10年度まで行政需要の拡大に対し、職員採用をもって対応し、直営で行ってきた行政サービスがあることから、職員数が類似団体平均値より多いこと、また、職員数の抑制に伴う委託化やIT化の推進により物件費が高水準にあることから、人件費・物件費等の額は類似団体平均値を上回っているが、前年度比較では、人件費、物件費、維持費が全て減少したことから数値は向上した。今後とも定員適正化計画等に基づき、職員数や事務事業の見直しを進め、人件費・物件費等の適正化に努める。
現行の給料表は年功序列的な体系となっており、経験年数の長い職員が給与水準を引き上げていることから、類似団体の中でも比較的高い水準となっている。平成26年度に人事給与制度改革を行い、給与表を独自表から国の給与表に改正した。経過措置があるため、緩やかではあるが、徐々に指数が100に収斂するものと見込んでいる。
行財政改革の一環として、これまで3回にわたる定員適正化計画を策定し、定員の適正化に取り組んできた。その結果、16年間で853人の正規職員を削減したものの、いまだ類似団体平均を上回る状況にある。これは民生部門において直営施設が多いこと、土木部門において他の団体にはない動植物園への職員配置、都市計画道路整備が本格化していることによる関係部署への職員配置などが影響していると分析している。これまでの定員適正化計画の成果を踏まえ、今後も効率的かつ効果的な行政運営を行うために、定員管理方針に基づき、更なる定員の適正化に努める。
算定の分母となる標準財政規模が11億円増加したこと、及び分子となる公債費に準ずる債務負担行為について、東京ベイ・浦安市川医療センター整備事業補助金が平成24年度で終了したことなどにより6億9千万円減少したここと等により、0.6ポイント改善し、類似団体平均値を大きく下回る1.8%と良好な水準を維持している。これは、継続的に取り組んできた市債の計画的活用等の効果によるものであり、今後も将来債務を累増させない範囲内で市債の活用を図り、数値の保持に努める。
算定の分子である将来負担額において、地方債の償還が進み、地方債現在高が31億6千万円減額となったこと、及び職員退職金の支給率引き下げ、支給対象職員数の減により、退職手当支給予定額が、12億6千万円減額となったこと等により、本市の将来負担比率も2.6ポイント改善し0.4%となり、類似団体平均値との比較においても大きく下回った。これは、継続的に取り組んできた市債の計画的活用等の効果によるものであり、今後も将来債務を累増させない範囲内で市債の活用を図り、数値の保持に努める。
人件費に係る経常収支比率は、32.5%と類似団体平均値に比べ高い水準となっている。これは、平成10年度まで行政需要の拡大に対し職員採用をもって対応し、保育園、社会福祉施設など市直営で行ってきた行政サービスがあるため、職員数が類似団体平均値より多いこと、経験年数の長い職員が給与水準を引き上げていることなどが要因であると分析している。今後は人事院勧告を受けた国家公務員の給与改定等に準拠する給与水準の引き下げ実施や、指定管理者制度を活用した委託化の進展等により、人件費を低減させるよう努める。
物件費に係わる経常収支比率は22.3%と類似団体平均値に比べ高い水準となっている。これは公立保育園などの直営施設や各種事業に携わる定数外職員の賃金が類似団体に比べ多くなっていること、また、施設管理の委託化やシステム構築費等のIT関連経費の増加等によるものである。物件費に係わる比率は、平成22年度以降減少していたが、平成24年度以降は増加しており、今後、一層の委託内容等の精査を進め費用の削減に努める。
扶助費に係わる経常収支比率は13.1%となっており、2年連続で類似団体平均値を上回った。これは障害者支援費や生活保護費が増加したこと等によるものであり、今後も資格審査の適正化等を進め、過度に財政を圧迫することがないよう努めていく。
その他に係わる経常収支比率は10.4%と類似団体の平均値に比べ低い水準となっている。これは、資格の適正化や地域的な特性などにより、国保会計、介護保険会計等に対する繰出額が類似団体に比べ低額となっているのが主な要因である。公営企業会計については、独立採算が原則であることから、今後も引き続き普通会計からの負担額の適正化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は4.1%と類似団体の平均値に比べ低い水準となっている。これは、平成15年9月に補助金支出の妥当性を審査するための基準として「市川市補助金の交付に関する基準」を制定し、以降、同基準に基づき全庁的に補助金交付の適正化に取り組んできたことなどによる効果である。補助費等に係わる比率は、新たな私立保育園の開設による補助金の増加等により上昇しており、今後も引き続き補助金支出の適正化に努める。
前年度比較では、平成9年度に借入したし尿処理施設整備事業債や平成14年度に借入した臨時財政対策債の償還が終了したこと等により0.6ポイント減少しており、類似団体平均値との比較でも4.5ポイント下回っている。今後も償還費用が財政を圧迫することのないよう、緊急度、住民ニーズを的確に把握した事業選択などに留意し、将来債務を累増させない範囲内での市債活用に努める。
公債費に係る経常収支比率が平成25年度は改善したにも係わらず、依然として本市の経常収支比率が類似団体の平均値に比べ高い水準となっている要因は、公債費以外によるものである。特に、人件費、物件費、扶助費が高水準の原因であることが見て取れるが、扶助費の増加傾向は今後も続くと予測されることから、経常収支比率を改善し健全な財政運営を図れるよう、職員数削減や事業、施設の統廃合といった行財政改革をさらに推進するとともに、市税収入をはじめとする自主財源の確保に努める。
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