2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
本市においては個人市民税をはじめとする市税収入が歳入全体に占める割合として高く、近年は、景気回復に伴う市税収入の増に伴い、財政力指数は上昇傾向にあり、前年度比でも0.02ポイントの増となった。今後も消費税率の引き上げや市税収入の増に伴って財政力指数は上昇するものと予想されるが、社会福祉費や生活保護費など社会保障関係経費の増大も想定されることから、引き続き財政基盤の強化に努める。
本市の経常収支比率は、前年度と比較すると0.7ポイント改善した。これは、個人市民税における納税義務者数、固定資産税における新増築家屋棟数などの増による市税収入が増となったほか、地方消費税交付金、株式等譲渡所得割交付金、配当割交付金も増加したことなどから、経常一般財源総額では、対前年度で歳入面で経常収支比率が2.1ポイントの改善となった。一方で、歳出面では、扶助費において、保育所等の入園者数の増や自立支援給付サービスの利用者数の増、補助費等において保育士の処遇改善施策の拡充等となったことなどにより、経常経費充当一般財源では対前年度、歳出面で経常収支比率を1.4ポイント上昇させることとなったことによるものである。高齢化の進展に加え、待機児童対策が喫緊の課題であることから、今後も扶助費や補助費等の増加傾向が続くと予想される。これらの社会情勢による経常収支比率の悪化圧力が大きいため、人件費削減や事務事業の見直しといった行財政改革を継続するとともに、市税収入をはじめとする自主財源の確保に努めていく。
人件費、維持補修費は前年度をわずかに下回り、物件費においても大きな増減見られなかったため、一人当たりの合計額はほぼ横ばいとなった。人件費においては、定員の適正化に努めており、人口1,000人当たりの職員数もほぼ類似団体平均値となっている。今後は、人事給与制度改革の効果や定員管理の適正化等により人件費が減少する見込みであるが、物件費等の経費については労務単価の上昇や消費税率の引き上げに伴う伸びが予想されるため、委託内容の精査や民営化等を更に進め経費の削減に努める。
本市のラスパイレス指数が恒常的に高い要因が、独自の給料表や昇格制度など、本市特有の要因であったことから、平成26年度に国家公務員の俸給表を基本とした新給料表に移行し、併せて、昇給や昇格基準においても国の制度を基本とした制度に変更することを柱とした「人事給与制度改革」を実施した。この「人事給与制度改革」を実施したことにより、新給料表がこれまでの独自給料表と比較して「昇給間差が小さい」こと、「昇格に伴うメリット分が低額である」こと、「ほとんどの級で最高号級の設定が低い」ことなど、給料表の圧縮の効果等により、平成27年度からその効果が表れ始めており、ラスパイレス指数は年々低下していくものと考えている。
行財政改革の一環として、平成10年度から平成24年度にわたって定員適正化計画を策定し、定員適正化に取り組んできた。その結果、適正な職員数の1つの指標である類似団体の平均に近い職員数となったため、平成26年度より「常勤職員数を増やさない」ことを方針として定員管理を実施している。平成29年度においても類似団体の平均と近似値であることから、適正な職員数を維持していると分析している。今後も、待機児童や施設の老朽化対策といった職員増の要因となる行政需要の増に対応しつつ、ICT技術の導入や民間事業者の活用などを推進していくことで、総体としての適正な規模の職員数を維持していく。
算定の分子となる準元利償還金のうち、公債費に準ずる債務負担行為に係るものにおいて、都市計画道路に係る用地取得費の増などにより、2億9千万円の増加となったことなどにより、単年度の実質公債費負担比率は0.7ポイントの増加となったものの、3ヵ年平均では類似団体平均値を下回る0.7%と良好な水準を維持している。これは、継続的に取り組んできた市債の計画的活用等の効果によるものであり、今後は施設の更新などにより市債発行額の増加が見込まれるが、公債費をはじめとする債務償還費用が、過度に財政を圧迫することのないよう、数値の保持を図っていく。
算定の分子において、庁舎整備事業に係る市債の発行などにより地方債現在高が増加したことを要因として、将来負担額が4億2千万円増加となったものの、財政調整基金の残高が増加したことなどにより、充当可能財源等が将来負担額を上回ったため、将来負担比率は前年度と同様、将来負担を充当可能財源等で充当しきれる結果となり、類似団体平均値を大きく下回る良好な水準を維持している。今後も財政運営が圧迫されることのないよう、各種債務の的確な把握に努めるともに、充当可能財源等のさらなる確保に努め、実質的な将来負担額の抑制を図っていく。
人件費に係る経常収支比率は、30.3%と類似団体平均値に比べ高い水準となっている。これは、主に給料表が本市独自のものであり、昇給基準においても独自の基準を設けていたことなどが要因であると分析している。これについては、平成26年度に「人事給与制度改革」を実施し、給料表や昇給基準を国の制度を基本としたものに変更したことから、27年度決算より改善の傾向を見せており、今後も続くものと考えている。
物件費に係わる比率は、分母である経常一般財源の増額により減少したが、引き続き20.6%と類似団体平均値に比べ高い水準となっている。これは公立保育園などの直営施設や各種事業に携わる定数外職員の賃金が類似団体に比べ多く、放課後保育クラブのクラス数を増やしていることによる指定管理料の増加、また、パスポートの発給事務を権限委譲されたことなどによるものである。今後、労務単価の上昇や消費税率の引き上げなどが見込まれているため、一層の委託内容の精査や民営化等を進め、費用の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は16.7%となっており、類似団体平均値を上回る状況が続いている。私立保育園・小規模保育事業所等の新規開設による私立保育園等保育委託料の増、障がい者の自立支援給付サービスの利用者数の増等が類似団体との乖離を拡大している要因である。喫緊の課題である待機児童対策のための新規私立保育園整備、また高齢化に伴う生活保護世帯の増加など扶助費の増加傾向は継続していくものと思われるが、私立保育園については、需要を見極め供給過剰とならないよう努め、生活保護については、生活保護に至る前段階での相談支援のほか生活保護世帯への就労支援傾注など自立を支援し、福祉の低下につながらないよう見極めつつも生活保護の適正実施を進め、過度に財政を圧迫することがないよう努めていく。
その他に係る経常収支比率は、11.3%と類似団体平均値に比べ低い水準となっている。これは、国保会計、介護保険会計等に対する繰出額が、資格の適正化や地域的な特性などにより、類似団体に比べ低額となっていることが主な要因である。特別会計については独立採算が原則であることから、今後も引き続き普通会計による負担額の適正化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は3.5%と類似団体平均値に比べ低い水準となっている。これは、平成15年9月に補助金支出の妥当性を審査するための基準として「市川市補助金の交付に関する基準」を制定し、以降、同基準に基づき全庁的に補助金交付の適正化に取り組んできたことなどによる効果である。補助費等に係わる比率は、待機児童対策による保育所等の施設が増えていること、保育士に対する処遇改善施策を拡充していることにより増加傾向にあるが、扶助費同様、供給過剰とならないよう適正支出に努める。
前年度比較では、平成28年度に借入れた庁舎整備事業に係る市債の償還が開始したことなどにより、公債費における経常的経費充当一般財源は3千万円増加となったものの、分母である経常一般財源が増となったことから、0.2ポイントの減となり、類似団体平均値との比較では4.4ポイント下回る結果となっている。今後も、緊急度、住民ニーズを的確に把握した事業選択などに留意し、債務費用が過度に財政を圧迫することのない範囲で、数値の保持を図っていく。
公債費以外の経常収支比率が類似団体の平均値に比べて高い水準となっている要因として、人件費、物件費、扶助費が高水準であることがあげられる。人件費、物件費については、本市独自の給料表、昇給基準に基づいていたことや公立保育園などの直営施設に係る経費が高かったことから、高い比率となっていたが、給料表の見直しなどにより、減少傾向にある。一方で、扶助費については、保育所等の整備、高齢化に伴う生活保護世帯の増加などにより、今後も増加傾向が続くと予測される。経常収支比率を改善し健全な財政運営を図ることができるよう、事業、施設の統廃合といった行財政改革をさらに推進するとともに、市税収入をはじめとする自主財源の確保に努める。
(増減理由)・庁舎整備基金について、本庁舎建替えの進捗により15億円取り崩した一方、一般廃棄物処理施設建設等基金について、建替え予定年度が近づいているため、運用利子の他、9億4,252万円を積み立て、また、財政調整基金について、景気の回復等により税収が増となっていることから、運用利子の他、決算剰余金の2分の1として20億円を積み立てたこと等により、全体としては14億6,651万円の増となった。(今後の方針)・特定目的基金については、各基金の目的に沿って適切に事業充当をしていくため減額していくこととなるが、うち、一般廃棄物処理施設建設等基金については、建替え予定年度まで積み立てを継続して行うこと、また、財政調整基金についても、決算剰余金の2分の1を積み立てていくこと、緊急対応すべき案件(震災等)への対応に備えるため、その他の取り崩しは行わないことから、全体として、基金残高は増額していく予定。
(増減理由)・取り崩しを行わず、決算剰余金の2分の1を積み立てたことにより増となったもの。29年度は、28年度に引き続き景気の回復等により税収が増となっていることから、運用利子の他、決算剰余金の2分の1として20億円積み立てたことにより、20億1,626万円の増となったもの。(今後の方針)・緊急対応すべき案件(震災等)に対応するため、全会計予算の10%程度を目安に、今後も決算剰余金の2分の1について積み立てる予定。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)・職員退職手当基金:市川市職員の退職手当の財源にあてるための基金。・一般廃棄物処理施設建設等基金:一般廃棄物処理施設建設その他整備に要する資金を積み立てるための基金。・庁舎整備基金:庁舎整備にかかる事業に必要な経費の財源にあてるための基金。・大畑忞教育基金:交通遺児その他就学困難な児童及び生徒に対する援助事業等を行うための基金。・福祉基金:高齢者、心身障がい者、母子、児童等の福祉の増進を図るための基金。(増減理由)・一般廃棄物処理施設建設等基金:一般廃棄物処理施設の建替えを予定していることから、運用利子の他、約9億4,252万円の積み立てを行ったことにより、約9億4,566万円の増となったもの。・庁舎整備基金:庁舎整備事業の進捗により15億円を財源として取り崩したことから、約14億9,486万円の減となったもの。(今後の方針)・一般廃棄物処理施設建設等基金:今後の一般廃棄物処理施設の建替えに備え、積み立て予定。・庁舎整備基金:庁舎整備事業の進捗により計画的に事業へ充当していき、平成32年度までに全額を取り崩す予定。
将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体内平均値を大きく下回っており、良好な水準で推移している。今後は、新庁舎建設やクリーンセンターの建替があるものの、債務償還費用が過度に財政を圧迫することのない範囲に収まるよう、財政運営を行っていく。
釧路市 苫小牧市 福島市 狭山市 上尾市 新座市 久喜市 市川市 松戸市 野田市 佐倉市 習志野市 流山市 八千代市 浦安市 立川市 府中市 町田市 小平市 日野市 西東京市 鎌倉市 藤沢市 秦野市 津市 宇治市 和泉市 伊丹市 川西市 宇部市 山口市 徳島市