2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
個人市民税をはじめとする市税収入が歳入全体に占める割合が高く(58.1%)、財政力指数は類似団体平均値を上回っている。近年は、長引く景気低迷の影響による税収の落ち込みから財政力指数が低下傾向にあったが、景気回復に伴う市税収入の増や消費税率の引き上げに伴う地方消費税交付金の増に伴い、上昇に転じた。今後も消費税率の引き上げや市税収入の回復に伴って財政力指数は上昇するものと予想されるが、社会福祉費や生活保護費など社会保障関係経費の増大も想定されることから、引き続き財政基盤の強化に努める。
類似団体平均値が90.6%であるのに対し、本市は90.4%と類似団体平均値を下回り、前年度に比較しても大幅に(4.5%)改善した。この主な要因について、歳入面では、市税で個人所得や納税義務者数、新増築家屋棟数などの増により6億9,300万円の増、地方消費税交付金で、消費税率が引き上げられたことに伴い31億1,300万円の増となったことなどにより、経常一般財源総額では、対前年度36億6,200万円の増額となり、歳入面から経常収支比率を4.1ポイント改善する要因となっている。歳出面では、扶助費・補助費において、新設保育園開園等により入所児童数が増加したことなどにより3億6,100万円の増、繰出金では、後期高齢者の医療費増加や介護保険法の改正などにより4億9,600万円の増額となっている。また、公債費においては、過去に発行した市債の償還が進んだことなどにより、12億7,100万円の減となったことから、経常経費充当一般財源では対前年度3億3,300万円減額となり、歳出面から経常収支比率を0.4ポイント改善する要因となっている。今後も扶助費や繰出金の増加傾向が続くと予想されることから、比率の悪化を食い止めるため、人件費削減や事務事業の見直しといった行財政改革をさらに推進するとともに、市税収入をはじめとする自主財源の確保に努める。
人件費、物件費は前年度を下回ったが、維持補修費が前年度を上回ったため合計としてはほぼ横ばいとなったが、人口が増加したため、人口1人当たりの金額は前年度を下回り、類似団体平均も下回る結果となった。人件費においては、定員の適正化に伴い、人口1,000人当たりの職員数はほぼ類似団体平均値となっているが、高年齢層の職員が多いため、人口1人当たりの決算額は類似団体平均値より多くなっている。一方、物件費においては、人口1人当たりの金額は類似団体平均を大きく下回っている。今後は、人事給与制度改革の進展や公共施設の委託化や民営化を進めることにより人件費が減少する見込みであるが、物件費等の経費については労務単価の上昇や消費税の引き上げに伴う伸びが予想されるため、委託内容の精査や民営化等を進め経費の削減に努める。
本市のラスパイレス指数が恒常的に高い要因が、独自の給料表や昇格制度など、本市特有の要因であったことから、平成26年10月に国家公務員の俸給表を基本とした新給料表に移行し、併せて、昇給や昇格基準においても国の制度を基本とした制度に変更することを柱とした「人事給与制度改革」を実施した。この「人事給与制度改革」を実施したことにより、新給料表がこれまでの独自給料表と比較して「昇給間差が小さい」こと、「昇格に伴うメリット分が低額である」こと、「ほとんどの級で最高号級の設定が低い」ことなど、給料表の圧縮の効果等により、前年のラスパイレス指数と比較して-0.3ポイントとなったと考えられ、今後も年々低下していくものと考えている。
行財政改革の一環として、これまで3回にわたる定員適正化計画を策定し、定員の適正化に取り組んできた。その結果、この10年間で普通会計ベースで249人(3,205人→2,956人)の正規職員を削減し、ほぼ類似団体平均となった。しかしながら、いまだに民生部門において直営施設が多いことから、公立保育園、障害者施設の民営化を進めるなど、これまでの定員適正化計画の成果を踏まえ、今後も効率的かつ効果的な行政運営を行うために、更なる定員の適正化に努める。
算定の分母となる標準財政規模が25億2千万円増加したこと、また、分子となる公債費の元利償還金において、平成16年度に借入した減税補てん債や、し尿処理施設整備事業債が26年度で終了したことにより12億9千万円減少したため、0.7ポイント改善し、類似団体平均値を大きく下回る0.0%と良好な水準を維持している。これは、継続的に取り組んできた市債の計画的活用等の効果によるものであり、今後も債務費用が過度に財政を圧迫することのない範囲で、数値の保持を図っていく。
算定の分子である将来負担額において、地方債の償還が進んだことによる一般会計等に係る地方債の現在高の減や、職員退職金支給率の引き下げによる退職手当負担見込額の減等を要因として、42億8千万円減少したこと等から、将来負担比率は前年度と同様、将来負担を充当可能財源で充当しきれる結果となり、類似団体平均値を大きく下回る良好な水準を維持している。今後も財政運営が圧迫されることのないよう、各種債務の的確な把握に努めるともに、充当可能財源等のさらなる確保に努め、実質的な将来負担額の抑制を図っていく。
人件費に係る経常収支比率は、31.3%と類似団体平均値に比べ高い水準となっている。これは、平成10年度まで行政需要の拡大に対し職員採用をもって対応し、保育園、社会福祉施設など市直営で行ってきた行政サービスがあるため、職員数が類似団体平均値より多かったこと、給料表が本市独自のものであり、昇給基準においても独自の基準を設けていたことなどが要因であると分析している。これについては、平成26年10月に人事給与制度改革を実施し、給料表を国の俸給表を基本とした給料表に改め、昇給基準についても国を基本とした制度にしたことから、今後、適正な水準となることが見込まれる。また、指定管理者制度や民間活力を活用した委託化・民営化の進展等により、人件費が低減していくものと見込まれる。
物件費に係る経常収支比率は21.7%と類似団体平均値に比べ高い水準となっている。これは公立保育園などの直営施設や各種事業に携わる定数外職員の賃金が類似団体に比べ多くなっていること、また、施設管理の委託化やシステム構築費等のIT関連経費の増加等によるものである。物件費に係わる比率は、分母である経常一般財源の増額により減少したが、労務単価の上昇や消費税率の引き上げなどが予定されているため、今後も一層の委託内容の精査や民営化等を進め、費用の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は15.2%となっており、4年連続で類似団体平均値を上回った。これは障害者支援費や生活保護費の増加に加え、新たな私立保育園の開設による委託料の増加や子ども・子育て支援新制度への対応による補助費からの移行分が大きく増加したこと等によるものである。保育園整備による増額はある程度避けられないが、今後も資格審査の適正化等を進め、過度に財政を圧迫することがないよう努めていく。
その他に係る経常収支比率は11.2%と類似団体の平均値に比べ低い水準となっている。これは、資格の適正化や地域的な特性などにより、国保会計、介護保険会計等に対する繰出額が類似団体に比べ低額となっているのが主な要因である。公営企業会計については、独立採算が原則であることから、今後も引き続き普通会計からの負担額の適正化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は2.5%と類似団体の平均値に比べ低い水準となっている。これは、平成15年9月に補助金支出の妥当性を審査するための基準として「市川市補助金の交付に関する基準」を制定し、以降、同基準に基づき全庁的に補助金交付の適正化に取り組んできたことなどによる効果である。補助費等に係わる比率は、、指定管理保育園の民営化の推進や子ども・子育て支援新制度への対応等により減少しており、今後も引き続き補助金支出の適正化に努める。
前年度比較では、平成16年度に借入した減税補てん債やし尿処理施設整備事業債の償還が終了したこと等により、1.9ポイント減少しており、類似団体平均値との比較でも5.1ポイント下回っている。今後も償還費用が財政を圧迫することのないよう、緊急度、住民ニーズを的確に把握した事業選択などに留意し、債務費用が過度に財政を圧迫することのない範囲で、数値の保持を図っていく。
公債費に係る経常収支比率が平成27年度は改善したにも係わらず、依然として本市の経常収支比率が類似団体の平均値に比べ高い水準となっている要因は、公債費以外によるものである。特に、人件費、物件費、扶助費が高水準の原因であることが見て取れるが、扶助費の増加傾向は今後も続くと予測されることから、経常収支比率を改善し健全な財政運営を図れるよう、事業、施設の統廃合といった行財政改革をさらに推進するとともに、市税収入をはじめとする自主財源の確保に努める。
釧路市 苫小牧市 福島市 狭山市 上尾市 新座市 久喜市 市川市 松戸市 野田市 佐倉市 習志野市 流山市 八千代市 浦安市 府中市 鎌倉市 藤沢市 秦野市 津市 和泉市 伊丹市 川西市 宇部市 山口市 徳島市