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個人市民税をはじめとする市税収入が歳入全体に占める割合が高く、財政力指数は類似団体平均値を上回っている。前年度比較では、普通交付税の交付基準額が、平成25年度では3億5,500万円であったのに対し、平成26年度は消費税の引き上げに伴う地方消費税交付金の増などにより、1,604万8千円に縮小した。今後は社会福祉費や生活保護費など社会保障関係経費が伸びていくものの、交付税総額の抑制の動きなどから基準財政需要額の伸びを見込むことが困難であり、また、消費税の引上げ分の影響で基準財政収入額が増加する見込みであることから、財政力指数は上昇していくと予測している。
類似団体平均値が91.1%であるのに対し、本市は94.9%と類似団体平均値を上回っており、景気回復等により市税が大幅に増額となった25年度を除き、比率は年々悪化している。この主な要因について、歳入面では、前年度同様に景気回復等による市税の増収や、消費税をはじめとした税制改正の影響などにより0.8ポイント改善し、歳出面では、公債費において既発債の償還が進み3.1億円減となったものの、人件費における定年退職者数の増や、物件費における労務単価上昇及び消費税率引き上げによる経費増、また高齢者肺炎球菌及び水痘予防接種の定期接種化、扶助費においては生活保護世帯や私立保育園の新規開設による入所児童数の増、さらに社会保障関係の繰出金の増などにより、2.4ポイント悪化したものである。今後も扶助費や繰出金の増加傾向が続くと予想されることから、比率の悪化を食い止めるため、人件費削減や事務事業の見直しといった行財政改革をさらに推進するとともに、市税収入をはじめとする自主財源の確保に努める。
人件費、物件費、維持補修費が全て前年度より増額となったが、人口も増加したため、人口1人当たりの金額は類似団体平均を下回った。人件費においては、平成10年度まで行政需要の拡大に対し、職員採用をもって対応し、直営で行ってきた行政サービスがあることから、職員数が類似団体平均値より多くなっている。また物件費においても、職員数の抑制に伴う委託化やIT化の推進により物件費が高水準にある。これらのことから、今後とも行財政改革大綱や定員管理方針等に基づき、職員数や事務事業の見直しを進め、人件費・物件費等の適正化に努める。
本市の給与水準が高い要因としては、給料表が本市独自の給料表であり、昇格基準においても独自の基準を設けていたこと等がその要因であった。これについては、平成26年10月に人事給与制度改革を実施し、給料表を国の俸給表を基本とした給料表に改め、昇格基準についても国を基本とした制度にしたことから、今後、適正な水準となることが見込まれる。
行財政改革の一環として、これまで3回にわたる定員適正化計画を策定し、定員の適正化に取り組んできた。その結果、17年間で887人の正規職員を削減したものの、いまだ類似団体平均をわずかながら上回る状況にある。これは民生部門において直営施設が多いこと、土木部門において他の団体にはない動植物園への職員配置していることによる関係部署への職員配置などが影響していると分析している。これまでの定員適正化計画の成果を踏まえ、今後も効率的かつ効果的な行政運営を行うために、定員管理方針に基づき、更なる定員の適正化に努める。
算定の分母となる標準財政規模が1.5億円増加したこと、および分子となる公債費に準ずる元利償還金において、中央図書館建設事業およびし尿処理施設整備事業が25年度で終了したことなどにより4億円減少したことなどにより、1.1ポイント改善し、類似団体平均値を大きく下回る0.7%と良好な水準を維持している。これは、継続的に取り組んできた市債の計画的活用等の効果によるものであり、今後も将来債務を累増させない範囲内で市債の活用を図り、数値の保持に努める。
算定の分子である将来負担額において、地方債の償還が進んだことによる一般会計等に係る地方債の現在高の減や、職員退職金支給率の引き下げによる退職手当負担見込額の減等を要因として、67億9千万円減少したこと等から、将来負担比率は前年度の0.4%からさらに改善し、将来負担を充当可能財源で充当しきれる結果となり、類似団体平均値を大きく下回る良好な水準を維持している。今後も財政運営が圧迫されることのないよう、各種債務の的確な把握に努めるとともに、充当可能財源等のさらなる確保に努め、実質的な将来負担額の抑制を図っていく。
人件費に係る経常収支比率は、32.8%と類似団体平均値に比べ高い水準となっている。これは、平成10年度まで行政需要の拡大に対し職員採用をもって対応し、保育園、社会福祉施設など市直営で行ってきた行政サービスがあるため、職員数が類似団体平均値より多いこと、給料表が本市独自のものであり、昇給基準においても独自の基準を設けていたことなどが要因であると分析している。これについては、平成26年10月に人事給与制度改革を実施し、給料表を国の俸給表を基本とした給料表に改め、昇給基準についても国を基本とした制度にしたことから、今後、適正な水準となることが見込まれる。また、指定管理者制度や民間活力を活用した委託化・民営化の進展等により、人件費を低減させるよう努める。
物件費に係る経常収支比率は22.6%と類似団体平均値に比べ高い水準となっている。これは公立保育園などの直営施設や各種事業に携わる定数外職員の賃金が類似団体に比べ多くなっていること、また、施設管理の委託化やシステム構築費等のIT関連経費の増加等によるものである。物件費に係わる比率は、平成22年度以降減少していたが、平成24年度以降は増加しており、今後、一層の委託内容の精査や民営化等を進め、費用の削減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は13.9%となっており、3年連続で類似団体平均値を上回った。これは障害者支援費や生活保護費の増加に加え、新たな私立保育園の開設による委託料が増加したこと等によるものである。保育園整備による増額はある程度避けられないが、障害者や生活保護の資格審査については今後も適正に実施し、過度に財政を圧迫することがないよう努めていく。
その他に係る経常収支比率は11.0%と類似団体の平均値に比べ低い水準となっている。これは、資格の適正化や地域的な特性などにより、国保会計、介護保険会計等に対する繰出額が類似団体に比べ低額となっているのが主な要因である。公営企業会計については、独立採算が原則であることから、今後も引き続き普通会計からの負担額の適正化に努める。
補助費等に係る経常収支比率は4.2%と類似団体の平均値に比べ低い水準となっている。これは、平成15年9月に補助金支出の妥当性を審査するための基準として「市川市補助金の交付に関する基準」を制定し、以降、同基準に基づき全庁的に補助金交付の適正化に取り組んできたことなどによる効果である。補助費等に係わる比率は、新たな私立保育園の開設による補助金の増加等により上昇しており、今後も引き続き補助金支出の適正化に努める。
前年度比較では、平成5年度に借入した中央図書館建設事業債や平成10年度に借入したし尿処理施設整備事業債の償還が終了したこと等により0.5ポイント減少しており、類似団体平均値との比較でも4.7ポイント下回っている。今後も償還費用が財政を圧迫することのないよう、緊急度、住民ニーズを的確に把握した事業選択などに留意し、将来債務を累増させない範囲内での市債活用に努める。
公債費に係る経常収支比率が平成26年度は改善したにも係わらず、本市の経常収支比率が悪化したことから、その要因は公債費以外によるものであるといえる。特に、扶助費と繰出金が数値を押し上げていることが見て取れるが、これらの増加傾向は今後も続くと予測されることから、経常収支比率を改善し健全な財政運営を図れるよう、職員数削減や事業、施設の統廃合といった行財政改革をさらに推進するとともに、市税収入をはじめとする自主財源の確保に努める。
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