経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は経費削減により良好である。令和元年度は資本費平準化債を皆減し,一般会計繰入金を増額したことが伸びの要因となっている。経費回収率も高水準であり,今後も収益的収支比率は同水準での推移になると思われる。企業債残高対事業規模比率については,終末処理場及び管渠等について旧住宅都市整備公団(UR)より譲渡を受け初期投資が抑えられたことにより低水準となっているが,現在,ストックマネジメント計画に基づく更新工事を実施していることから,今後増加になる見通しである。経費回収率については,類似団体と比較して良好である。その要因としては経費削減の効果が要因であると考えられる。汚水処理原価については類似団体と比較して良好であるが,年々増加傾向にあるため,より一層維持管理費の削減に努める必要がある。施設利用率については類似団体と比較して著しく低水準であり,原宿台住宅団地の計画人口を満たしていないことや人口の減少によることが原因と考えられる。今後の対策としては,「五霞町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に位置づけた施策を所管する部門と連携し,区域内人口の増加を図る必要がある。水洗化率については類似団体と比較して高水準である。その要因としては原宿台住宅団地の新規分譲住宅の販売が要因と考えられる。
老朽化の状況について
管渠改善については令和元年度は皆無であったが,今後ストックマネジメント計画に基づいた補修・更新等を行う予定である。終末処理場である環境浄化センターについては,昭和61年3月に供用開始しており,処理場全体的に経年劣化が進行していたため,平成25年度に五霞町公共下水道長寿命化計画を策定し,計画的に設備等の更新工事を行った。現在,平成30年度に策定したストックマネジメント計画に基づく老朽化対策を計画的に進めている。
全体総括
公共下水道事業については,施設利用率以外は,良好な運営体制であると考えられる。現在,ストックマネジメント計画に基づく施設の更新工事を実施中であり,今後は管渠等の老朽化対策も行う予定であることから,新たな企業債の発行が予測される。このことから企業債残高対事業規模比率をはじめ各指標において経営的に厳しい状況になることが予想されるため,財源の確保や更なる経費節減を図ることが必要不可欠である。また,特定環境保全公共下水道事業と合せた経営改善を進める。更に農業集落排水事業も含めた下水道事業全体の運営の効率化を検討する。