経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は経費削減により平成25年度から良好である。平成29年度からは資本費平準化債を大幅に減少させ,一般会計繰入金を増額したことが伸びの要因となっている。経費回収率も高水準となっていることから,今後も収益的収支比率は同水準での推移になると思われる。企業債残高対事業規模比率については,終末処理場及び管渠等について旧住宅都市整備公団(UR)より譲渡を受け初期投資が抑えられたことにより低水準となっているが,今後は,ストックマネジメント計画に基づく更新工事等を予定していることから増加傾向となる見通しである。経費回収率については,類似団体と比較して良好である。その要因としては経費削減の効果が要因であると考えられる。汚水処理原価については類似団体と比較して良好である。その要因としては維持管理費の削減が要因であると考えられる。施設利用率については類似団体と比較して著しく低水準であり,原宿台住宅団地の計画人口を満たしていないことや人口の減少によることが原因と考えられる。今後の対策としては,定住化促進事業を所管する部門との連携を図り区域内人口の増加を図る必要がある。水洗化率については類似団体と比較して高水準である。その要因としては原宿台住宅団地の新規分譲住宅の販売が要因と考えられる。
老朽化の状況について
管渠改善については平成30年度は皆無であったが今後,ストックマネジメント計画に基づいた補修・更新等を行う予定である。終末処理場である環境浄化センターについては,昭和61年3月に供用開始しており,処理場全体的に経年劣化が進行していたため,平成25年度に五霞町公共下水道長寿命化計画を策定し,計画的に設備等の更新工事を行った。今後は、平成30年度に策定したストックマネジメント計画に基づく計画的な維持管理を適正に進める予定である。
全体総括
公共下水道事業については,施設利用率以外について,良好な運営体制であると考えられる。今後においては,ストックマネジメント計画に基づく施設及び管渠等の更新工事等が実施されることに伴い,新たな企業債の発行が予測される。このことから企業債残高対事業規模比率をはじめ各指標において経営的に厳しい状況になることが予想されるため,財源の確保や更なる経費節減を図ることが必要不可欠である。また,特定環境保全公共下水道事業と合せた経営改善を進める。更に農業集落排水事業も含めた下水道事業全体の運営の効率化を検討する。