経営の健全性・効率性について
収益的収支比率,経費回収率は100%未満であり(100%以上が望ましい),減少傾向にある。設置基数も増加し,使用料が維持管理費の増加に追い付いていないのが現状である。企業債残高対事業規模比率は類似団体平均値を大幅に上回っている(下回る方が望ましい)。事業が始まって約10年,企業債の償還が始まってからまだ数年であり,残高の比率は高くなっている。汚水処理原価は類似団体平均値を上回っている(下回るほうが望ましい)。設置基数の増加による維持管理費の増加が要因と考えられる。施設利用率は経年的にみるとやや増加傾向にあるが,類似団体平均値を下回っている(上回る方が望ましい)。経営の健全化に向け,効率的な利用を図っていく必要がある。市町村設置型の事業であるため,水洗化率は100%である。経年で比較してみると,収益的収支比率,経費回収率,汚水処理原価は悪化傾向にあり,企業債残高対事業規模比率,施設利用率は改善傾向にある。
老朽化の状況について
事業開始から約10年であり,今すぐに更新が必要な状況ではないと考えられる。今後,老朽化の状況をみながら,老朽化対策の方針の検討を行っていく。
全体総括
各指標を見てみると,経営的に健全であるとは言えない状況であり,指標も悪化傾向がみられる。維持管理費の増加に使用料が追いついていない状況であり,今後,使用料が適正であるか検証を行っていく必要がある。また,収納対策,経費削減など,経営改善に向けた早急な対策が必要である。老朽化対策も含め,今後の事業方針の検討を行う必要がある。