経営の健全性・効率性について
③流動比率、⑤料金回収率、⑥給水原価、それぞれ類似団体と比較して、おおむね良好な数値であり、②累積欠損金比率も、0%であり、起債の新規発行を抑制しており、④企業債残高対給水収益比率も低い水準であることから、経営状況はおおむね良好であるといえる。しかしながら、⑧有収率は、類似団体平均値よりかなり低く、昨年度より6.46ポイント低下しており、主要管路が主に塩化ビニル管である統合した簡易水道の、漏水の多発が影響していると考えられる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値と同程度となっており、法定耐用年数に近い資産が多いことが読み取れる。②管路経年化率は、類似団体平均値より低い数値ではあるが、耐用年数に近い資産が多いことから、計画的な更新が必要であると考えられる。なお、③管路更新率は、昨年は0.36%であったが、今回は0.16%となり0.20ポイント低下している。主な要因は、浄水場の電気計装改修に予算を回したためと、橋梁架替工事に伴う添架管路替工事が事業繰越となり、仮勘定から本勘定に振替ができなかったためと考えられる。
全体総括
経営の健全性については、類似団体平均値と比較して、おおむね良好な数値であるため、健全性は保たれていると考えられる。固定資産の経年化が進行しており、浄水場の耐震化改修工事が完了したので、計画的かつ効率的に管路等の更新を行う必要がある。また、施設利用率は、類似団体平均値より高いが、有収率が低く収益の悪化の進行が見込まれるため、有収率改善のため管路更新や漏水対策の投資を増やす必要性が高いと考える。