つがる市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

①「収益的収支比率」は前年度と比較すると増加しているが、繰入金が増加することにより微増となった。④「企業債残高対事業規模比率」は発生していないが、一般会計からの繰出基準額の算出方法を見直し、適正な料金収入で賄う事が出来ない企業債償還金については、公費負担する見込みとした事による。⑤「経費回収率」は企業債元金償還金が前年度より増加したため、前年度の数値を下回る結果となった。類似団体との比較も平均値を下回る事となった。⑥「汚水処理原価」は前年度と比べ、低くなっているが、地方公営企業法適用のための打切決算により、汚水処理費が低く計上されことによる。⑦「施設利用率」は前年度と比較すると減少しており、平均値と比べても低くなっている。⑧「水洗化率」は類似団体に比べ大幅に低い水洗化率となっている。要因としては、高齢者世帯が多く、下水道接続に難色を示すケースが多い事が挙げられる。管渠布設が完了していない地区があるため、今後は若干数の伸びが見込まれる。

老朽化の状況について

供用開始が平成10年度であり、管渠の更新時期には未だ至っていないが、処理場の機械設備に関しては修繕費が増加しているため、老朽化の状況を把握し、計画的かつ効果的な更新や修繕を実施する必要がある。

全体総括

本市の公共下水道は平成10年の供用開始から22年が経過した。計画面積における事業進捗率はおおよそ8割、令和7年度まで整備を行うものである。平成29年度の使用料改定、排水区域拡大もあり、使用料は前年度と比較し増収となっている。しかし、水洗化率は類似企業平均を大幅に下回り、企業債償還金も増加傾向にあり、汚水資本費の公費負担分を控除する前の汚水処理原価は類似団体に比べ大きいと思われる。今後は農業集落排水事業との処理場共同化、集約化も視野に入れ、経営戦略に基づき効率的な経営を行うとともに、公営企業会計への移行と共に、精緻な分析を行い、持続可能な下水道事業経営に努める。