経営の健全性・効率性について
【経常収支比率・累積欠損金比率】経常収支比率は100%で推移しており,累積欠損も発生していないが,一般会計繰入金によるものであり,引き続き基準外繰入の縮小・解消に向け,経営改善に取り組む必要がある。【流動比率】流動負債の建設改良費に充てられた企業債の比率が高いことによる。【企業債残高対事業規模比率】整備に伴う企業債の借入による企業債残高が多額である。整備計画の変更等により,整備に係る借入金は減少している。平均値を下回っているが,今後大規模な施設改修を見込んでおり,増加が見込まれる。【経費回収率・汚水処理原価】汚水処理原価の増大及び経費回収率の悪化に伴い,令和3年10月より使用料の料金改定を行う。引き続き施設の維持管理経費の節減にも努めていく。【施設利用率】施設利用率は,約55%前後で推移し,類似団体平均値を上回っている。【水洗化率】水洗化率は約80%前後で推移していたが,下水道区域の見直しを実施したたため,令和元年度から平均値を上回った。引き続き水洗化促進員の訪問等による普及促進に取り組み,水洗化率の向上に努める。
老朽化の状況について
管渠老化率,管渠改善率はともに0%で推移している。平成9年度に供用開始し,23年が経過した。管渠が耐用年数を経過するにはまだ年数があるとはいえ,今後,経年による施設の老朽化,維持修繕,更新費用が増大する見込みであり,長寿命化計画(ストックマネジメント計画)に基づき計画的な更新を図っていく必要がある。
全体総括
令和2年度に整備計画を見直し,江田島市の下水道事業は,完了した。今後は,水洗化率の向上のため,未接続世帯の実態の把握,啓発等により接続推進を継続していく。経費回収率は100%を超えているとはいえ,安定した経営には課題が多い。引き続き,基準外繰入の解消のため,令和3年10月に使用料の料金改定を行う。また,維持管理経費の節約などにも努める。企業債残高が多額で,将来的な負担が大きい。大規模な施設改修を予定しているので,企業債残高は,増加する見込みである。将来的な負担の増大が予想されるため,引き続き経費の節約など,経営健全化に努める。管渠の老朽化率等は低いものの,今後,経年による修繕・更新費用の増大も見込まれるため,経営戦略及び長寿命化計画(ストックマネジメント計画)に基づき計画的な修繕・更新に取り組む。