経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を超え類似団体の平均値を上回っており、累積欠損比金率0%となってはいるが、一般会計への依存度が依然として高いため、投資の効率化や維持管理費の削減等、経営の健全化と効率化も高める必要がある。更に水洗化率が64.16%と年々増えてはいるが、依然として低いため、水洗化率を向上させることにより適正な料金収入を確保し、一般会計への依存度を減らした場合でも経営できるようにつなげることも重要である。○経常収支比率が少しずつ上昇していることに関しては、一般会計からの繰入が増になったことが要因と考えられるため、使用料収入・水洗化率の更なる向上で収益を上げて、一般会計からの繰入を抑える必要がある。併せて、経費削減で経営改善を図る必要がある。○流動比率が右肩下がりになってきていることに関しては、過年度に建設改良費の財源に充てるために発行した企業債が償還のピークを迎えつつあることが要因である。適正な料金収入向上及び経費削減で経営改善を図る必要があると考えられる。○企業債残高対事業規模比率がR3で大幅に減となっていることに関しては、臨時財政特例債元金の償還が完了したためである。○経費回収率及がR3で大幅に増となっていることと、汚水処理原価がR3で大幅に減となっていることに関しては、汚水処理費の算定方法の見直しを行ったためと考えられる。○施設利用率がR1のみ大幅に低くなっていることに関しては、流量計の一部が正確に測れていなかったために低くなっていたと考えられる。今年度に修繕したため来年度以降は適切な利用率となる。
老朽化の状況について
○管渠については、築年数が浅いため更新時期は先である。処理場の機械及び電気設備は近い将来更新時期を迎えるため、ストックマネジメント計画に基づき、点検・調査も実施し、修繕・改築の必要性を検討する。また個別施設の改築計画の見直しの必要性も検討する。今後アセットマネジメント作成も見据えて見直しする予定である。
全体総括
○適正な料金収入を確保することが経営改善の第1歩であり、接続率を向上させることが特に重要である。また、今後の人口減少や空き家対策等を踏まえ、農業集落排水を公共下水道に取り込んで維持管理の一元化を図りながら、組織の連携した取り組みが必要である。さらに、長期的な基本計画である経営戦略の改定を実施するとともに、経費回収率向上に向けたロードマップの作成等、経営の健全化を図るための取組を進めていく必要がある。