経営の健全性・効率性について
経常収支比率が100%以上であり、単年度の収支は黒字となっているが、累積欠損金が生じていること、流動比率が100%未満であること、また、経常収益は使用料収入以外の一般会計からの繰入れに依存しているなど、経営改善に向けた取組を行う必要があります。企業債残高は、投資規模の増大により類似団体平均値より高い比率であるため、使用料の見直し検討や接続率向上に取組む必要があります。経費回収率においては、汚水処理に要する維持管理費を使用料収入で賄えていない状況にあるため、使用料の適正化に向けて分析を進める必要があります。汚水処理原価においては、638.53円と類似団体平均値214.56円より2.98倍高い数値を示しており、将来的に変動する汚水処理費や年間有収水量を予測しつつ、使用料の適正化について検討を進める必要があります。施設利用率においては、類似団体平均値を上回っていますが、新たに供用開始した地区を重点に置き、適切な施設規模となるよう接続率の向上に取組む必要があります。水洗化率においては、公共下水道は毎年度整備区域を拡大しており、新たな供用区域について早期接続を啓発すると共に、未接続者の実態等を把握し、水洗化の普及促進に向けた取組を進めます。
老朽化の状況について
公共下水道事業は、平成4年度に管渠整備に着手し、平成6年度から供用を開始しています。管渠施設については、まだ更新時期になく、老朽化は進んでいませんが、将来想定される改築更新に向けて、計画的かつ効率的な維持修繕に対応している状況にあります。処理場については、平成23年東日本大震災の津波被害に伴い、水処理に係る機械・電気設備等の関連施設は、災害復旧事業により更新しています。今後においては、ストックマネジメント計画に基づき、処理場をはじめとする施設について、計画的に改築更新を行っていく必要があります。
全体総括
公共下水道事業は、事業計画や平成27年度に策定した汚水処理施設アクションプランに基づき、施設の整備概成を概ね10年とする方針を早期に実現するために、経済的かつ効率的に整備を進めている状況にあります。供用区域の拡大に伴い、使用料収入の増収が見込まれるものの、将来を見据えた持続的な経営を図るため、使用料の適正化と接続率の向上を進める必要があります。また、平成30年度から、処理場の設計・施設改良と維持管理業務を民間事業者に包括的に委託したことにより、トータルコストの縮減と事業費の平準化による効率的かつ効果的な施設運営の向上を図っています。