経営の健全性・効率性について
(1)健全性について累積欠損金が無く、経営収支比率及び経費回収率が100%以上あることから健全に運営できているものと考えます。(2)効率性について効率性の指標の一つである施設利用率は晴天時処理能力に対する晴天時平均処理水量の比率ですが、下水道終末処理場の処理能力は日最大処理水量を基に計画することが標準であるため、晴天時処理水量の最大値と平均値との差が多い場合、一見すると効率性が低い結果になってしまいます。ここで、仮に晴天日最大処理水量を分母とした施設利用率を算出すると80%程度となり、一定の利用率を有しているものと考えます。恵庭市の場合、有収水量全体の約4割が家事用外でありそのうち約5割が工場用排水であることから、工場の稼動状況により、処理水量に増減が生じ、日当り水量に変動を与えている可能性が考えられます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率が比較的低く、現時点では老朽化が進んでいない状況です。管渠については平成30年以降に50年経過管が生じ、以降増大していくことから、ストックマネジメント計画等により管渠の重要度による保全手法を設定の上、平準化を図りながら計画的に調査・改築を行うことが必要と考えます。処理場については、資産価値の大きい機械設備や電気設備が主な資産となりますが、管渠と同様に重要度や劣化判断可否等により資産毎に保全手法を設定し、平準化を図りながら計画的に調査・改築を行うことが必要と考えます。
全体総括
現状は経営状況が良好と判断されますが、膨大な資産を有し、多様の事業を取扱う下水道事業を今後とも健全に運営していくためには、資産と事業計画を整理の上、アセットマネジメントを踏まえた経営戦略を策定することが必要と考えます。