地域において担っている役割
急性期医療を担う中核病院として、地域医療機関との連携を図りながら、良質な医療を提供することはもとより、公立病院として、救急医療や、がん治療などの専門医療、実習生等の受入れによる人材育成など、採算性等の面から民間医療機関では困難な医療サービスの提供に努めている。
経営の健全性・効率性について
②医業収支比率、③累積欠損金、④病床利用率、⑤⑥入院患者(外来患者)1人1日当たり収益、⑦職員給与費対医業収益比率、⑧材料費対医業収益比率については、類似病院平均値を下回った(③、⑦は上回った)ものの、平成30年9月に高松市立みんなの病院へ移転統合したことにより、昨年度と比較すると大きく改善した。また①経常収支比率については類似病院平均値を上回った。これは移転後の患者数が増加したことにより、入院収益等が増加したためである。今後、減価償却費の増加等により、経常収支比率などの悪化が予想されるが、更なる新規患者の確保を図ることで、病院経営の健全化に努めたい。
老朽化の状況について
平成30年9月に高松市立みんなの病院に移転統合したことや、それに伴い医療器械等を大きく更新したことにより、①有形固定資産減価償却率、②器械備品減価償却率については、類似病院平均値を大きく下回り、また経年比較においても大きく数値が改善した。一方で、③1床当たり有形固定資産は経年比較及び類似病院平均を大きく上回っており、今後、減価償却費として経常支出の増大が予想されることから、更なる新規患者の確保を図ることで、その投資を経常収益で賄えるよう努めていきたい。
全体総括
市民病院と香川診療所が移転統合し、平成30年9月から、高松市立みんなの病院としてスタートし、急性期病院としての医療機能の充実を図る一方、地域包括ケアも見据えた病床機能の強化や人材育成についても、積極的に取り組んだことで、経営の健全性・効率性においても一定の効果がでた。しかしながら、施設規模拡大による経費増の影響等から、今後、減価償却費が増大するほか、新病院整備に係る企業債の償還が始まるなど、引き続き厳しい経営状況が想定される。このようなことから、平成29年度に策定した第3次高松市病院事業経営健全化計画(平成30年度~令和2年度)に基づき、これまで以上に良質な医療の提供に努めることで、患者数の更なる増加を図り、堅実かつ適正な病院経営に取り組みたい。