経営の健全性・効率性について
○昭和44年度から事業を開始し、地方債償還がピークを迎えていることから収益的収支比率は100%を下回っており、更なる経営改善を図る必要がある。また、現在も年次的に面整備を継続しているが、企業債残高は年々減少していることから、企業債残高対事業規模比率は減少傾向にある。○汚水処理原価は類似団体に比べても低く、費用の効率性が高い状況にあるとともに、経費回収率も100%を超えており、汚水処理に係る経費は使用料で賄えている。○水洗化率は、年々上昇しているが、今後とも普及啓発活動に努め水洗化率の向上を図る必要がある。○施設利用率は、整備済み面積が全体計画面積の64.1%であることから類似団体内の平均を大きく下回っており、水洗化率の向上などにより下水道資産の有効活用を図る必要がある。
老朽化の状況について
事業開始当初の管渠及び施設は約45年を経過しており、今後、更新・補修事業費が大幅に増えることが見込まれることから、財政計画を踏まえて計画的な改築更新を検討する必要がある。○処理場及びポンプ場等の機械・電気設備については、順次長寿命化計画に基づき改築更新を行っており、今後とも適正な維持管理に努める。○管渠については、平均耐用年数である50年に達した管渠はなく、現在は事後対応型維持管理を行っている。今後は、点検・調査及び改築・修繕計画の優先順位を検討し、効率的・効果的な維持管理を実施するため、管渠の現状を把握・分析し、予防保全型施設管理の実施により適正な維持管理・延命化を図っていく必要がある。
全体総括
当市は、効率的な経営を行っていると言えるが、施設の効率性は低く、整備完了までには多くの費用と非常に長い期間を要する。一方で、事業開始当初の管渠及び施設の更新・改築時期が到来しつつあり、今後、多額な改築更新経費が見込まれる。今後の取組としては、未普及地域の面整備を年次的に推進し施設の効率性を高めるほか、普及促進活動等により歳入確保体制の強化に努めるとともに、効率的な運転管理による維持管理経費の節減等に努める。施設及び管渠等の計画的な更新補修を行い、効率的・効果的な資産管理に努める。あわせて、経営状況の明確化、経営の健全性や計画性の向上を図る取組の柱として、平成30年4月から地方公営企業法の財務規定等の適用を行い、投資計画と財政計画の整合性を図っていく。